...前脚を肩へ掛けてはベロベロと頬(ほっ)ぺたを舐(な)めた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...酸(サワ)も甘味(スウィイト)も舐(な)めつくしたと言ったような...
谷譲次 「踊る地平線」
...恰(あたか)も舌で舐め廻すようにぺろり/\と撫でるのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...空(から)になった酒を飲む器(うつわ)を下に置いて脣をぴちゃぴちゃ舐めながら...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...まだ菓子(くわし)を舐(しやぶ)りながら隱(かく)れるやうにして居(ゐ)る與吉(よきち)を見(み)て「俺(お)れこと忘(わす)れたんべ此(こ)ら...
長塚節 「土」
...チビチビとウヰスキイを舐めてゐた...
牧野信一 「鏡地獄」
...」いちいち指先を舐めながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...あのタンボ気違いの兄きが舐めるようにして可愛がっていました田地召上げられましてどの空で生きて行けますべえ? それが困れば未進(みしん)上納共地代二十両...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...おようは舐(な)めるように啜って...
山本周五郎 「ひとでなし」
...新八はまた唇を舐め...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...這いつくばって舐(な)めていた...
横光利一 「上海」
...土を舐め、草の根を喰っている、無数の飢えたる眼の前を後から後から通って行くのであった...
吉川英治 「三国志」
...大廂(おおびさし)の裏がわを舐(な)め廻る...
吉川英治 「私本太平記」
...父としての苦渋を舐めた一休です...
吉川英治 「小説のタネ」
...浅黒いうわ唇を舐(な)めあげていると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...審(つぶ)さに生活の困窮を舐(な)めてきたので...
吉川英治 「宮本武蔵」
...舐(な)めるように愛撫するのだった...
蘭郁二郎 「鉄路」
...そして、勿論、この陰気な、醜い黒吉が、自分の一挙一動を、舐めるように、見詰めているとは気づかなかったろう...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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