...園と小母さんとは無言のままで互いの眼から離れて下を向いてしまった...
有島武郎 「星座」
...それゆえふたたび顔を上げて小母さんを見た...
有島武郎 「星座」
...この小母さんは、トンネルの出口に雑貨店をやっていて、よほど以前、この日もここに来た曾根原耕造氏と百瀬君と僕と三人、あれは十一月もなかばを過ぎていた頃だが、東山めぐりをやり、日暮れにこの小母さんの店の炉にふんごんで、ビールを飲んだことがある...
石川欣一 「可愛い山」
...」小母さんもまた...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...小母さんはこちらへ住居をきめることになった...
鈴木三重吉 「千鳥」
...その後小母さんからよこす手紙にも...
鈴木三重吉 「千鳥」
...その小母さんにたのんできたん」「そう...
壺井栄 「二十四の瞳」
...「この小母さんが...
徳田秋声 「足迹」
...何時だったか小母さんと三人で玉川に遊んで...
豊島与志雄 「生あらば」
...小母さんが南瓜を十ばかり汗をふきふき切りながらいわれる...
永井隆 「長崎の鐘」
...「その紫のコートはどうしたのよ?」「…………」「時ちゃんは貧乏がいやになってしまったのねえ?」私は階下の小母さんに顔を合せる事は肌が痛いようだった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「小母さん、ラムネ、もう一本」「よく、あがりますね」「わたしは、ラムネが強いんですよ」三本目を飲みながら、なにげなしに、卓のうえにひろげられてある新聞を読んだ...
火野葦平 「花と龍」
...「ソ、そうなんです、そのお艶ちゃんに私」半分ばかり開けてある台所の戸口から思わずグググッと身体を差し入れてきて、「逢わせてください、ねえ小母さん、後生だねえ、ちょいと大急ぎで」「あの、引っ越しましてございますよ」また気の毒そうに婆さん言った、膝の上へ置いたお皿を急いでふきんで拭きはじめながら...
正岡容 「寄席」
...太って大きい炊事がかりの小母さんの手伝いをしてアルミの鉢を洗っている...
宮本百合子 「従妹への手紙」
...小母さんのお伴で琴平も見たわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あのおばさんの手紙にかんしゃくをおこしたのはね、不明瞭に、つまりかんしゃくらしく書いて、そういう意味にとれたかもしれませんでしたが、私としてはすこしは多賀ちゃんの将来に役に立つよう稽古(洋裁でも)させて、島田の家を手つだっていてくれたために私は安心していられたこともかえしてやりたいし、いろいろ生活の気持、ひろくしてやろうと思ったのに、小母さんは、「気のおけない宿で治療して一ヵ月でかえって」とパタパタ、黒子ばかり中心に軽々しく考えるように云っていらして、そのことでかんしゃくをおこしたのでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それを小母さんがうれしそうに見ていらっしゃるでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...信者達は「小母さん」の存在を聖母の位に迄引き上げた...
矢田津世子 「反逆」
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