...』と智恵子は稍躊躇(ためら)ひ乍ら、机の上の財布(かみいれ)を取つて其中から紙幣(さつ)を一枚、二枚、三枚……若しや軽蔑したと思はれはせぬかと、直ぐにも出しかねて右の手に握つたが、『アノ、小母さん、私小母さんの家の人よ...
石川啄木 「鳥影」
...』と智恵子は軽く笑つて、『小母さん、私まだ考へても見た事が無くつてよ...
石川啄木 「鳥影」
...誰かが行って尋ねて見ると「知らない小母さんが来て抱くから嫌だ……」とて...
石原莞爾 「戦争史大観」
...小母さんの静かな寝顔をじっと見ていると...
鈴木三重吉 「千鳥」
...部落の子供や小母さんらがよくかごを持って栗ひろいにくる...
高村光太郎 「山の秋」
...「小母さん、待つてくれ、俺は白ばくれもせん、嘘も云はん、本当に俺は何も知らなかつた、何のために狂人病院へ這入つたのか、ちつとも判らなかつた、伯父も何も云つてくれない、昨日帰つたから、落ちついたなら聞かうと思つてをつた、さうか、それは、」源吉は大きな呼吸を吐いて俯向いたなりにまた考へ込んだ...
田中貢太郎 「海異志」
...小母さんというのとはまるでちがっていたが...
豊島与志雄 「田舎者」
...義則(よしのり)君が口をとがらして下駄屋の小母さんにいいました...
新美南吉 「狐」
...留守番はお隣りの小母さんに頼むがよい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...留守番はお隣の小母さんに頼むがいい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...好いあんばいにせつかちな小母さんはそんな話題にこだはつてはゐず...
牧野信一 「渚」
...「旅行にでも出掛けるんですか?」「旅行? そんな楽しみぢやないんですがね――」といつた小母さんは楽しみらしく...
牧野信一 「渚」
...岩本の小母さんという方は...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...岩本の小母さんはこま鼠で私は動かない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...もつたいながつて指に付けて舐めてしまふ小母さん...
三好十郎 「おスミの持参金」
...大急ぎで引返して「小母さん...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...近藤小母さんも保証した通り...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...小母さんはその後...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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