...この瘤の献身的な強圧のお蔭を被って滞りなく小作米を取り立てていた...
犬田卯 「瘤」
...そこへもってきて、正確な小作米、畑年貢などが予期されないとすれば、信用組合、銀行、無尽会社への利払いでさえ容易のことではない...
犬田卯 「瘤」
...小作米の揚つたのを汽車で送らせて...
薄田泣菫 「茶話」
...寺の庫裡(くり)の入り口の広場にも小作米(こさくまい)がだんだん持ち込まれる...
田山花袋 「田舎教師」
...僕に連れられ小作米取立の検分に出かけ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...小作米(とくまい)とりの...
徳永直 「戦争雑記」
...小作米(こさくまい)を入(い)れる藁俵(わらだはら)を四五俵分(へうぶん)作(つく)らねば成(な)らぬことが稼(かせ)ぎに出(で)る時(とき)から彼(かれ)には心掛(こころがか)りであつた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)はお品(しな)の葬式(さうしき)が濟(す)むと直(すぐ)に新(あたら)しい俵(たはら)へ入(い)れた小作米(こさくまい)を地主(ぢぬし)へ運(はこ)んで行(ゆ)かねば成(な)らぬとそれが心(こゝろ)を苦(くる)しめて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...然(しか)し他(た)に方法(はうはふ)もないので彼(かれ)は地主(ぢぬし)へ哀訴(あいそ)して小作米(こさくまい)の半分(はんぶん)を次(つぎ)の秋(あき)まで貸(か)して貰(もら)つた...
長塚節 「土」
...さうして小作米(こさくまい)を賣(う)つた苦(くる)しい懷(ふところ)からそれでも彼(かれ)は自分(じぶん)の居(ゐ)ない間(あひだ)の手當(てあて)に五十錢(せん)を託(たく)して行(い)つた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)はまだお品(しな)が死(し)んだ年(とし)の小作米(こさくまい)の滯(とゞこほ)りも拂(はら)つてはないし...
長塚節 「土」
...小作米の代りに勞働を提供したり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小作米になる青田に向っていた...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...小作米が蔵(くら)に運ばれて...
平出修 「夜烏」
...その小作米を僕等が搗いた時に俵数が少なく間違つてゐたといふ事件から...
牧野信一 「沼辺より」
...小作米の勘定をしているんだな...
三好十郎 「好日」
...時々小作米とか小遣の帳面を枕元の一燭(しょく)の電燈で調べる位のことで...
夢野久作 「巡査辞職」
...節祝い及び小作米を集める時にだけ一定の家へ雇われて働くものを忙月(マンユエ)と言うのである)あまり忙しいというので...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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