...寝返りを打てば、袖の煽(あおり)にふっと払われて、やがて次の間と隔ての、襖の際に籠った気勢(けはい)、原(もと)の花片(はなびら)に香が戻って、匂は一処に集ったか、薫が一汐(ひとしお)高くなった...
泉鏡花 「婦系図」
...」私は寝床のなかで寝返りを打ちながらさう思つた...
薄田泣菫 「独楽園」
...その男は寝返りをうって唸ったが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...「君はまた寝返りうったんだね...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...寝返りを打つて枕の当るところを換へてみたりした...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それから静かな寝返り...
中里介山 「大菩薩峠」
...「先生!」「ムニャ――」今度は一言でまた寝返りを打って...
中里介山 「大菩薩峠」
...寝返りも自由にはなりません」「よく解りましたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そわそわ寝返りばかりうち...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...寝返りを打ち、ジェシの語る驚愕の話を聞いて、顔が青ざめた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...彼は振り子のように寝返りを打った...
松永延造 「職工と微笑」
...考えては、寝返りし、寝返りしては考えているうちに、私は体じゅう熱が出たように熱く成った...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...ゴロゴロ寝返りを打ちながらうかうかとさそわれ気味で...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...何度も寝返りを打ち...
室生犀星 「野に臥す者」
...幾たびも寝返りをしながら...
山本周五郎 「菊屋敷」
...ムニャムニャと寝返りをしかけたので...
夢野久作 「一足お先に」
...あわよくば宮方へ寝返りの色が見えぬではない...
吉川英治 「私本太平記」
...――いや、それ以上にも、秀吉がおそれたのは、勝入父子に、不平をいだかせておくと、老獪(ろうかい)な家康が、かならず手をまわして、寝返りの誘惑を、かれら父子に伸ばしてくるにちがいないと、思われることだった...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索