...寝返りばかり打つてゐた...
芥川龍之介 「秋」
...帆村は苦しそうに呻(うな)りながら寝返りをうった...
海野十三 「暗号数字」
...しづかに寝返りを打つた...
太宰治 「火の鳥」
...そして私が寝返りを打ったそこには心配そうな兄や嫂の顔が並んでいた...
橘外男 「逗子物語」
...やがて熊谷は寝返りを打ちました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...寝返り打ったり横向きになったりしたらいかん...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...障子を閉(た)てる音に母親が眼を覚まして、「清三かえ?」「ああ」「まだ寝ずにいるのかえ」「今、寝るところなんだ」「早くお寝よ……明日が眠いよ」と言って、寝返りをして、「もう何時だえ」「二時が今鳴った」「二時……もう夜が明けてしまうじゃないか、お寝よ」「ああ」で、蒲団(ふとん)の中にはいって、洋燈(らんぷ)をフッと吹き消した...
田山花袋 「田舎教師」
...再び寝返りをした...
豊島与志雄 「二つの途」
...つぎに彼が床の上で寝返りを打つのを用心深く待っていてくれさえすればよいのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...妄想と、寝返りと、口の内にて演説のまねと、今朝来の経過を繰り返して考へ見る事と、二つの扁額(へんがく)、(為山の水絵、不折の油絵)を見つむる事と、これらの中にやうやう苦痛の三、四時間を過ぎて、熱次第にさめかかる...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...もし俺(わし)が寝返りでもした時...
宮原晃一郎 「漁師の冒険」
...眠つてゐるワシリが寝返りをしたり...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...ゆっくりと寝返りをうった...
山本周五郎 「あだこ」
...彼女は夜半の一時よりまえに寝たことはなく、午前四時すぎまで寝ていることもない、睡眠時間は多くて三時間、そのあいだは失神した者のように、寝返りもうたず、いびきもかかずに熟睡した...
山本周五郎 「季節のない街」
...新八はぞっとして眼をつむり、吐きそうな気持におそわれながら、寝返りをうった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...横になるまでは、眠くって眠くって堪らなかったが、木枕を、首にあてると、ぴーんと妙に、神経は冴え返って、「ええ、また今夜も」と、寝返りを打った...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...寝返りを打つ気配でもなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...寝返りを打った自分の情婦(いろ)から来た文でも見るような気がして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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