...目の寄る前途(さき)へ行(ゆ)き抜けもせず...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...『I先生の処へ寄る位なら何故私の処へ帰つて下さらないんです! 一寸だつていゝぢやありませんか...
伊藤野枝 「惑ひ」
...丁度夏目さんの家の前を通ったから立寄ることにした...
内田魯庵 「温情の裕かな夏目さん」
...眼尻(めじり)に皺が寄るほど強く男の頬ッぺたへ額をあてている...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...痩犬のように彼女のうちに窺い寄る自分の姿を見出した...
豊島与志雄 「運命のままに」
...その陰に立寄ると...
永井荷風 「雪の日」
...東に向ってやや右へ寄ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...目黒の与吉は、何が何やら解らない様子で、ぼんやり二人の話を聴いておりましたが、気が付くと沽券(こけん)に拘(かか)わると思ったものか、「寄るな寄るな、見せ物じゃねえ」急に野次馬の方へ向いて精いっぱいの塩辛声(しおからごえ)を張上げます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そのくせ傍に寄るほどの男に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...逃れる隙(すき)もなく詰め寄るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...儀十 帰りには是非寄ると約束だ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...相手はいくらもあれども一生を頼む人が無いのでござんすとて寄る辺なげなる風情(ふぜい)...
樋口一葉 「にごりえ」
...コロムビア本社へ寄る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...鹿田松雲堂へ立寄ると主人静七氏が予に対して云ふには「西鶴の好色一代男を先頃手に入れましたが...
宮武外骨 「骨董品化した古珍書」
...きっと幸太はおまえに云い寄るだろう...
山本周五郎 「柳橋物語」
...鯉口の腕をひねって詰め寄ると...
吉川英治 「剣難女難」
...法印の立ち寄る寺へぞろぞろと腕ぐみして集まってきた...
吉川英治 「親鸞」
...明日漕ぐと樂しみて見る沼の面の闇のふかみに行々子(よしきり)の啼くわが宿の灯かげさしたる沼尻の葭(よし)のしげみに風さわぐなり苫蔭にひそみつつ見る雨の日の浪逆(なさか)の浦はかきけぶらへり雨けぶる浦をはるけみひとつ行くこれの小舟に寄る浪聞ゆさきに私は若葉の頃になれば旅をおもふといふことを書いた...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??