...昼の食事に寄るように云ったけれども二人とも宿へ帰った...
谷崎潤一郎 「鍵」
...然れどもクロニーオーン・ヂュウスには近寄ることを得べからず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...寄る年と共にますます耳は遠くなり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...雜然と腦裡にむらがり寄る亂れた想念をいだきながら...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...傍へ寄るとぷんといやな臭いがするほど...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その陰に立寄ると...
永井荷風 「雪の日」
...漣(さざなみ)の琥珀(こはく)に寄る幅広の絹の色が鮮(あざやか)な翼を片鬢(かたびん)に張る...
夏目漱石 「虞美人草」
...ただあなたの周囲に寄る純潔な魂を堕落させるのみだったではありませんか...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...――冨子に聞くところに寄ると...
林芙美子 「瀑布」
...忍び寄る暗闇に座り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...「寄ると触ると結婚だとか恋愛だとか――その他には夢はないものなんでせうか知ら...
牧野信一 「女に臆病な男」
...おれがそばへ寄るのを妨げるものは...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...鴉(からす)や野犬(のいぬ)の寄るやうに...
森鴎外 「大塩平八郎」
...今おお勢が悪魔の所へ寄る時なのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...――物音ひとつ立てずに忍寄るのがどうして分るのか...
山本周五郎 「松林蝙也」
...岸へ忍び寄るその音が樂しい囁きとなつて耳から胸へ...
吉江喬松 「霧の旅」
...わしの立ち寄ることを...
吉川英治 「新書太閤記」
...攻め寄る敵を殱滅(せんめつ)して...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索