...部屋(へや)の隅(すみ)へ歩み寄ると...
芥川龍之介 「河童」
...仏領交趾支那の港に寄る...
大杉栄 「日本脱出記」
...余(われ)に近く歩(あゆ)み寄る跫音(あしおと)...
永井荷風 「夜あるき」
...それは耳寄りでございますねえ」権六は主膳の近くへ膝行(にじ)り寄る...
中里介山 「大菩薩峠」
...ずっと駒井の傍へ寄ることを懼(おそ)れようとしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間の忍び寄る隙間などはとてもありません...
野村胡堂 「死の予告」
...「寄るな/\、灯りを皆んな消して、男共から先に家の中へ引つ込むのだ」浪人庵崎數馬はまだ四十歳前後ですが、さすがに第一番の常識家でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...福助の部屋へも寄る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あまりその名聲を知られてゐない偉大な Claus Sluter(譯註十四世紀の彫刻家)の作品を鑑賞するためディジョンにちよつと立寄る積りで居ります...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「リルケ書翰(ロダン宛)」
...下方衆(したかたしゅう)はもう寄ると触るとその噂で――いや...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...どこの往来も人で一パイなので近寄ることが出来ません...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...少年の箭数(やかず)問い寄る念者(ねんじゃ)ぶりという近世の発句(ほっく)があるが...
柳田国男 「こども風土記」
...そばへ寄ると人でも獣でもひき込むという椹(さわら)ヶ池...
山本周五郎 「山彦乙女」
...立ち寄る軒『丑蔵(うしぞう)……...
吉川英治 「篝火の女」
...またどこかへ寄るつもりらしい...
吉川英治 「随筆 新平家」
...何ともいえない親しみぶかい皺(しわ)が和(なご)やかに寄ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
......
若山牧水 「樹木とその葉」
...霞が浦即興わが宿の灯影さしたる沼尻の葭の繁みに風さわぐ見ゆ沼とざす眞闇ゆ蟲のまひ寄りて集ふ宿屋の灯に遠く居るをみなたち群れて物洗ふ水際に鹿島の宮の鳥居古りたり鹿島香取宮の鳥居は湖越しの水にひたりて相向ひたり苫蔭にひそみつゝ見る雨の日の浪逆(なさか)の浦はかき煙らへり雨けぶる浦をはるけみひとつゆくこれの小舟に寄る浪聞ゆ...
若山牧水 「水郷めぐり」
便利!手書き漢字入力検索