...若者はむずかる子供のように地だんだを踏んでますます葉子に寄り添うばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...その膿み爛れて腐臭を発する身体に寄り添うて...
橘外男 「仁王門」
...桜の幹に寄り添うて彳(たゝず)んでいるのであること...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...壁にぴったり寄り添うてうずくまったまま...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...私は思わず子窓に寄り添うようにして力の籠った低声(こごえ)で呼びかけながら手に物を言わせて...
近松秋江 「霜凍る宵」
...その傍に寄り添うようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...寄り添うは見た事もない他人である...
夏目漱石 「虞美人草」
...抱き着いたとも寄り添うたとも形容は出来ぬ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...しかるに近来吾輩の毛中(もうちゅう)にのみと号する一種の寄生虫が繁殖したので滅多(めった)に寄り添うと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ガラッ八は平次に寄り添うようにこんな事を言います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大橋伝中の隠れ家も二万両の金の隠し場所も」「――」「親分さん」お銀は寄り添うように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「で話というのは」少し寄り添うようにすると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに寄り添うて歩いてゐるのは彼女だつたのだ...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...二人は壁のそばにピッタリと寄り添うようにして笑つている...
三好十郎 「肌の匂い」
...母に寄り添うて炬燵へ足をいれながら...
矢田津世子 「女心拾遺」
...不仕合せな内儀さんに寄り添う心が強まってきて...
矢田津世子 「神楽坂」
...近々と寄り添うては鳴くのである...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...利三がうしろに寄り添う...
吉川英治 「新書太閤記」
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