...ところが老人達は二三竿の疎らな枝葉の上に宿る一片の涼味のほかに趣味を見出すまいとする...
會津八一 「趣味の修養」
...一度其赫灼(かくしやく)たる霊光の人の胸中に宿るや嬋妍(せんけん)たる柳眉玉頬(りうびぎよくけふ)の佳人をして...
石川啄木 「閑天地」
...厳冬余の頭上に宿るに余の心は永久の春のごとし...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
... 80たとへ今日暫くは其憤激を抑ふるも後日に之を霽すまで胸裏に宿る炎々の瞋恚の焔收まらず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それトロイア軍中に進み入らんと欲するか?新たに來り陣頭にトレーイケスの族宿る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...150泉豐かに猛獸の宿るイデーに彼ら來て...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...眼に宿るその陰に...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...けれども涼しい彼女の眼に宿る光りは...
夏目漱石 「明暗」
...子供が母親の胎内(たいない)に宿るのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鳥沢(とりざわ)も過ぐれば猿はし近くにその夜は宿るべし...
樋口一葉 「ゆく雲」
...昔熊野詣りの比丘尼(びくに)一人ここへ来て宿る...
南方熊楠 「十二支考」
...心のまゝに月宿るらん」などいう歌の名所なるに添えてかかる話を作り加えただろうといい居る...
南方熊楠 「十二支考」
...一切を自然に任じた古作品により深い美が宿ることをどうして否むことができよう...
柳宗悦 「工藝の道」
...なお高い叡智が自然に宿ることを敬虔深く承認せねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...よき工芸はよき天然の上に宿る...
柳宗悦 「雑器の美」
...素朴な器にこそ驚くべき美が宿る...
柳宗悦 「民藝四十年」
...純一なその姿にこそかえって美の本質が宿る...
柳宗悦 「民藝四十年」
...神が宿るとは如何に不可思議な真理であろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
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