...それに他に身寄りのないのが何より同情すべき点だと云うこと...
上田広 「指導物語」
...そのまま同じ区内の身寄りの者の所へ立去ったこと(若し北園竜子が犯人とすれば...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...外に身寄りとてもない小松は...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...そいつを一緒に引取って頂き度(た)いので」家主の話を聞くと、このアトリエは元、ある彫刻家の持家であったのを、彼が買受けて貸家にしたので、岡田はその最初から二年ばかりの借り主であったが、非常に孤独な男で、奇妙なことには、身寄りのものも、親身の友達もないらしく、警察から水死の通知を受けても、死骸の引取手(ひきとりて)もなかったので、さしずめ家主が一切を引受けて、葬式から墓地のことまで心配した...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...その女に身寄りも...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ほかに身寄りがないので...
徳田秋声 「挿話」
...御主人には身寄りも親類もございません」「倅の佐太郎は隣に住んでいるではないか」「あれは身持が悪いから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...裕福な上州屋のことですから、御得意に大名方も三軒五軒、手持ちの材木もうんとあり、遺族が困るの、店がどうのという事はなかったのですが、ともかく、うんとあるだろうと思われた現金がほんの当座の帳面尻を合せるだけ、二つの銭箱に少々ばかり入っていたのでは、身寄り一統、奉公人も世間の人も承知しません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...可哀想に」「身寄りはないのか」「ありゃしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十五六年も雇つて置いたのはどういふわけだ」「私は身寄りも何んにもなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身寄りのないものゆえ...
森鴎外 「山椒大夫」
...年取るにつれて身寄りのない孤独感が迫れば迫る程金に執着していく飯尾さんの気もちが紀久子には分らぬではなかったが...
矢田津世子 「父」
...不伝は威圧を利(き)かせて――「おれの身寄りを...
吉川英治 「大岡越前」
...その中に身寄りの者がありやなしやと...
吉川英治 「三国志」
...身寄りのすくない...
吉川英治 「新書太閤記」
...粉河(こかわ)の身寄りへ落してやったので...
吉川英治 「新書太閤記」
...法隆寺に身寄りがいるという言い訳をあてにして...
吉川英治 「親鸞」
...ゆうべ隣村の身寄りの者の家へ行ったきり...
吉川英治 「親鸞」
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