...宿を出て、バスに乗り、振り向くと、娘さんが、少し笑って私を見送り急にぐしゃと泣いた...
太宰治 「俗天使」
...」猫は片耳を傾けただけで、振り向くことも、手入れを休むこともなかった...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...」たしかに声がして、振り向くと、さよ子が立っていた...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...彼女が振り向くと...
豊島与志雄 「道化役」
...あれが檀那樣なんですよ……」教へられてその窓の方を振り向くと...
南部修太郎 「病院の窓」
...唯よく判つた御主人でございました」「お前さんがこゝへ來てから何年になるんだ」「三年で御座います」「もとは?」「柳橋の船宿にをりました」「その前は」「いろ/\のことをいたしました」平次はチラリと八五郎の方を振り向くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(振り返って頭を下げて去る)忠太郎 (おとらを見送り、水熊を振り向く...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...なんでしょう」女達はジロリとこちらへ振り向くと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...運転手が蒼白になつた顔を振り向くと...
北條民雄 「道化芝居」
...歩廊から振り向くと走り出した窓から...
牧野信一 「好日の記」
...振り向くだに因果な悪気に誘はれた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...それより彼はだんだん窮窟な感じに追はれ始めるとまだ後を振り向く必要があるかどうかと考へたが...
横光利一 「悲しみの代價」
...通る人もなければ振り向く者もない一角に...
横光利一 「旅愁」
...きっと振り向く時など...
吉川英治 「新書太閤記」
...艱難をうしろに振り向くときの愉快な人生を...
吉川英治 「新書太閤記」
...振り向くと、高松の城は、かなり後になった...
吉川英治 「新書太閤記」
...振り向くと、辻咄(つじばなし)の徳西(とくさい)が、羽織を頭から被(かぶ)って、尾(つ)いてくる...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...丑之助へは振り向く者もない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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