...家尻切(やじりき)り……...
永井荷風 「虫干」
...この鋸(のこぎり)で難(なん)なく切(き)れる家尻(やじり)を五つ見(み)て来(き)ましたし...
新美南吉 「花のき村と盗人たち」
...家尻切(やじりきり)から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...近頃頻々(ひんぴん)として行われる、性(たち)の悪い押込、強盗、家尻切は、どう考えても一二年この方のさばり返った十二支組の仕業に相違ありませんが、その十二支組の仲間と思われるのが、斬られたり、絞(くび)られたり、水へ突っ込まれたり、この間から五六人も死体になって現われたのですから、十二支組が仲間割れをしたか、それとも、第二者で義憤の士がそっと十二支組を片付けているとでも思わなければなりません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...家尻切(やじりきり)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大阪地方専門の家尻切(やじりき)りになりましたが...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...へえ、それがね、もし旦那え、と芝居がかつた台詞になつてから、こちらの閾を跨いで外へ出られないと云ふのは、実は旦那、人殺しこそしてゐませんが、夜盗、かつさり、家尻切、悪いに悪いと云ふことを仕尽しまして、五尺の体の置きどころのない身の上でございますと云ふと、主人は驚いて、そんな悪いことをしさうな方でもないやうな方だと云ひます...
吉井勇 「或る日の小せん」
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