...右のような矛盾したことをいうようになったのはそもそもどういうわけでありましょうか...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...上海へそもそもこの俺が「おいでなすった」のは(自分で俺はそう呟(つぶや)いていた)ほかでもない...
高見順 「いやな感じ」
...(そもそも私は「文化」という言葉がきらいである...
太宰治 「チャンス」
...そもそも茶道は、遠く鎌倉幕府のはじめに当り五山の僧支那より伝来せしめたりとは定説に近く、また足利氏の初世、京都に於いて佐々木道誉等、大小の侯伯を集めて茶の会を開きし事は伝記にも見えたる所なれども、これらは奇物名品をつらね、珍味佳肴(かこう)を供し、華美相競うていたずらに奢侈(しゃし)の風を誇りしに過ぎざるていたらくなれば、未だ以て真誠の茶道を解するものとは称し難く、降(くだ)って義政公の時代に及び、珠光なるもの出でて初めて台子真行(だいすしんぎょう)の法を講じ、之(これ)を紹鴎(しょうおう)に伝え、紹鴎また之を利休居士に伝授申候事、ものの本に相見え申候...
太宰治 「不審庵」
...僕はそもそも事件の当初からいち早く逃げ出して...
辻潤 「ふもれすく」
...そもそもわたしたちはあの日...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...フェナルチン・アドなんてのがそもそも出鱈目なんで...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...そもそも今日は水泳の選手になるのであろうか...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...そもそも隕石というものは...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その食堂という奴が抑々(そもそも)どんなものであるかは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...我々が己れの誇りとしようとするあの立派な特質はそもそもどうなるか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そもそも、この孫堅は、董卓とはもともと何の怨みがあるわけでもない...
吉川英治 「三国志」
...出ずるも修羅、止まるも地獄、朕はそもそも、いずこに身を置いていいのか」と、慟哭(どうこく)された...
吉川英治 「三国志」
...「そもそも、智謀ばかりでは戦に勝てない...
吉川英治 「三国志」
...いや、そもそもから、事は、そちにも諮(はか)るべきであったろう...
吉川英治 「私本太平記」
...そんな気づかいがそもそもわるい...
吉川英治 「親鸞」
...そもそも最初から怪しいと思っていた山鹿十介が...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...――そもそも生きる事が苦しむ事なのである...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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