...宵の口から酒喰らいやがって...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...お座敷は宵の口だけですよ...
泉鏡花 「婦系図」
...広庭を一つ隔てた母屋の方では、宵の口から、今度暑中休暇で帰省した、牛込桐楊塾の娘たちに、内の小児(こども)、甥(おい)だの、姪(めい)だのが一所になった処へ、また小児同志の客があり、草深の一家(いっけ)も来、ヴァイオリンが聞える、洋琴(オルガン)が鳴る、唱歌を唄う――この人数(にんず)へ、もう一組...
泉鏡花 「婦系図」
...まだ宵の口なのを人通りの少い町を歩きながら...
岩本素白 「六日月」
...暖かな宵の口であった...
田中貢太郎 「水魔」
...早い時には宵の口から...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あの騒ぎを、隣室にいて竜之助がほんとに知らないらしいのを不思議がり、「宵の口に、若い御夫婦づれが、これへおいでになりました」「それは知っている」「その御夫婦づれが、心中をなさいました」「心中を……」「はい、吾妻(あずま)川の湖(みずうみ)へ出ますところで、二人とも、しっかり抱き合い身を投げたのを、今朝の暗いうちに、倉屋敷の船頭衆が見つけまして大騒ぎになりました」「うむ――」「宅の方は、昨晩、三井寺あたりまで参ると申し、五ツ過ぎに、連れ合いしてお出かけになりましたが……それっきり...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ宵の口ではあるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...宵の口まで人の参詣が続いていたに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...とうとう口を開かせたのは宵の口...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ宵の口でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伜(せがれ)の手紙は宵の口に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宵の口に戸締りをしてしまふと...
林芙美子 「朝夕」
...「宵の口に町を歩いてる人間が...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...男も、女も、老いたるも、稚(おさ)なきものも――みんなが、みんな、何か、桝(ます)や笊(ざる)のようなものをつかんで、振り立てて、冬の宵の口を、大通りを目ざして、駆け出すのであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...兵藤 貴様、なに奴だお蔦 痛っ! 何をなさるだよっ! つ、つ、つ、痛っ!兵藤 さては、宵の口から、その辺をウロウロしていたというのは貴様だったな? よし、バイタ!井上 お蔦! 仙太はっ? 仙太郎はどうした?吉村 謀られたっ! 甚伍、手出し無用! この場を引けっ! えいっ!井上に向って斬り込んで行く...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...御門番」同じ夜の宵の口...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...買手どもの影は見えない宵の口であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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