...「やあさん」のお母さんは三味線が上手で、よくお母さんの糸で「やあさん」が舞うていたが、夏の宵の口など、店先から奥が透けて見える頃になると、通りに人が立って、奥の稽古を見物していた...
上村松園 「四条通附近」
...宵の口を陸で過そうと上陸した...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...二二日)夕暮の一時冬の宵の口である...
千家元麿 「自分は見た」
...そして第一まだこんな宵の口の...
橘外男 「蒲団」
...ときどき宵の口に...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...宵の口に、お島にすかし宥(なだ)められて、一度眠りについた隠居は、衆(みんな)がこれから寝床につこうとしている時分に、目がさめて来ると、広々した蚊帳(かや)のなかに起き坐って、さも退屈な夜の長さに倦(う)み果てたように、四下(あたり)を見回していた...
徳田秋声 「あらくれ」
...昨夜(ゆふべ)も宵の口にお前の宅(うち)の前を通つたら...
徳田秋聲 「絶望」
...宵の口から白いものがついてゐた...
永井荷風 「雪の日」
...その日の宵の口であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...兩國橋の上にかゝつたのはもう宵の口...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宵の口に小夜菊の家へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此一廓では夜の九時頃は未だホンの宵の口であらうが...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...宵の口の騒ぎもほぼ静まり...
平林初之輔 「五階の窓」
...が、宵の口に彼は、タイタニック号のフィリップスと無電で喧嘩をしている...
牧逸馬 「運命のSOS」
...宵の口に二回、モウパア警部は直通電話を鳴らして、「アロウ、ムッシュウ・ガリバルジ?――金曜日ですな...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...夕飯を終ると宵の口から眠る時間を気にして滑稽しごく...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...まだホンの宵の口なのに...
三好十郎 「肌の匂い」
...未(ま)だ宵の口だのに最(も)う深夜の感がする程灯火(あかり)も人気(ひとけ)も少(すくな)い...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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