...宵(よひ)のうたゝねから覺(さ)めて辻(つじ)へ出(で)ると...
泉鏡太郎 「十六夜」
...宵に調べてあった刀架(かたなかけ)の刀を腰にして...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...徹宵(よっぴて)放蕩でもしたように体がぐだぐだに疲れています...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...それより心地よいクッションにまづ腰を落着けつゝ今宵一夜を共に此處に明かすべき同車の旅の人々の知らぬ容貌風采...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...今宵(こよひ)此(この)老脚(らうきゃく)が幾(いく)たび墓穴(はかあな)に蹉躓(けつまづ)いたことやら!……誰(た)れぢゃ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...今宵、寺の縁側へ出て見ると、周囲をめぐる山巒(さんらん)、前面を圧する道志脈の右へ寄ったところに、富士が半身を現わしている...
中里介山 「大菩薩峠」
...かくてこの一行は、まだ宵のうち、無事に再び名古屋の城下へ送り込まれました...
中里介山 「大菩薩峠」
...行くにつれて宵(よい)は深くなる...
中里介山 「大菩薩峠」
...あたりは只一時に目をひらきたるがごとし鯛とると舟が帆掛けて亂れゝば沖は俄かに濶くなりにけり豊後國へわたる船を待たむと此の日内海にいたりてやどる此の宵はこほろぎ近し廚なる笊の菜などに居てか鳴くらむ十八日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...宵闇の中を相生町から深川の方へ向いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「主人はいつものやうに宵のうち早目に二階へ引取り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宵のうちは愚痴話しになり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...古い小唄にもあるだらう」「?」「宵は待ち夜中は恨み――」「なるほど...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一週に二回の宵を限つて...
牧野信一 「酒盗人」
...トヨ 祭なれば妻恋のお薬師さんも今夜が宵宮だで...
三好十郎 「妻恋行」
...宵のくちまで騒いでいった...
山本周五郎 「似而非物語」
...そして、忠顕との話がつきぬまま、加茂川べりの亭で、宵の頃まで、つい飲んでいた...
吉川英治 「私本太平記」
...寒さは宵とは比較にならない...
吉川英治 「親鸞」
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