...山襞(やまひだ)の多い鬱然(うつぜん)たる樹木の山のみが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
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峠三吉 「原爆詩集」
...深い山襞に雪を含んでる...
豊島与志雄 「霊気」
...村端の氷河を渡って涸雪(かれゆき)の山襞をたどり...
久生十蘭 「新西遊記」
...山襞や岩の腹についていた雪は大きな塊になってあわてふためいて谷の底へころがりおちる...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
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広海大治 「サガレンの浮浪者」
...まだ額のところだけ残っている……」そのとき漸(や)っと私はその父の額らしい山襞を認めることが出来た...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...薄黒い山襞の蔭に識別された...
松濤明 「春の遠山入り」
...遠い山襞が珍しくはっきり見え...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...馬車はもう遠く山襞に隠れてしまつた...
三好達治 「測量船」
...眼に映る山襞が胃の内部にまで縛りつづいて来ているように見える...
横光利一 「夜の靴」
...両脇から頂上の砦へのぼっている山襞は袖付の裂け目に似ていた...
横光利一 「旅愁」
...山襞(やまひだ)の深いところまで木々の芽ざしが色づいたり思わぬ花があったりする...
吉川英治 「私本太平記」
...四山の山襞(やまひだ)も霧で見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...尾根の左右に幾つともなく切れ落ちてゐる山襞...
若山牧水 「木枯紀行」
...幾つか折れ込んだ山襞(やまひだ)の奧に當つてゐるので...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その赤い山襞のあちこちに遥々都から御あとを追うて来た御側の女がやがて身重になって籠ったあとの森だとか...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...其処も小さな山襞の一つに当っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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