...それから又外(ほか)の客が来ると...
芥川龍之介 「貝殼」
...そんな調子に前夜は空(から)気炎をはいておおいに来客をへこませ...
伊藤左千夫 「去年」
...大事な忘れものをしましてなあ」客は...
海野十三 「特許多腕人間方式」
...好意の限りを尽してこの来客をもてなした...
薄田泣菫 「独楽園」
...その船の最後の乗客をも船から掃い出してやろうと思い立った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...二百名からの旅客が...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...四月七日曇、憂欝、倦怠、それでも途中行乞しつゝ歩いた、三里あまり来たら、案外早く降りだした、大降りである、痔もいたむので、見つかつた此宿へ飛び込む、楠久、天草屋(二五・中)ずゐぶんうるさい宿だ、子供が多くて貧乏らしい、客間は二階だが、天井もなければ障子もない、せんべいふとんが二三枚あるだけだ(畳だけは畳らしい)、屋根裏のがらんどうにぼつねんとしてゐると、旅愁といふよりも人生の悲哀に近いものを感じる、私はかういふ旅に慣れてゐるから、かういふ宿にかへつて気安さを感じるが(そこをねらつてわざと泊つたのでもあるが)普通の人々――我々の仲間はとても一夜どころか一時間の辛抱も出来まい...
種田山頭火 「行乞記」
...ついぞ客など入って本を買っているのを見たことはなかった...
田山花袋 「日本橋附近」
...フニクラレの客車で日本人らしい人に出会って名乗り合ったら...
寺田寅彦 「二つの正月」
...吾々が客観的と考える時...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...清秋無クレ尽ル客重テ過グ...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...酉の市の晩には夜通し家を開け放ちにして通りがゝりの来客に酒肴(さけさかな)を出すのを吉例としてゐたさうである...
永井荷風 「里の今昔」
...乗客の三分の二はもう眠りに就いてゐる...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...当分お客様に来た積りで...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...これに反して經驗判斷はこのやうな關係を客觀的なものとして...
三木清 「認識論」
...たか子が出かける時間だのお客だのに区切られて眠れず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...出でゝ客を拝したかどうだかわからない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...上は月卿雲客(げっけいうんかく)の貴紳(きしん)から...
吉川英治 「新書太閤記」
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