...狩衣の色さへ定かにはわかりません...
芥川龍之介 「地獄變」
...足許(あしもと)の水桶さえも定かではない...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...我れ斯くてだに在らんにはと思ふ間(ひま)さへ中々に定かならざるに...
高山樗牛 「瀧口入道」
...胸中に一点の物無(の)うして人我(にんが)の別定かならぬのみか...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...科学大衆性の第一・第二の規定から来る至極当然な結果に過ぎない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...先の所謂普遍妥当性(従って又真理価値)という観念的規定から区別された...
戸坂潤 「科学方法論」
...一定の量的な規定から出て来る一定の質的規定を有った実体概念で...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...科学者乃至技術家はその技術的素養からいっても生活の安定からいっても...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...それと定かに表情は分らないが...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...その中に定かではないが...
中井正一 「図書館に生きる道」
...その日の勘定から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...机に茫然(ぼんやり)頬杖を杖(つ)いてる雪江さんの眼鼻の定かならぬ顔が...
二葉亭四迷 「平凡」
...高き金峰(きんぷ)山は定かならねど...
別所梅之助 「雪の武石峠」
...彼等とわたしとの距離は姿も定かではないほどに小さく遙かで...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...定かならぬうめきが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...我中心に満足を与へんも定かならず...
森鴎外 「舞姫」
...定かな色を持たない無限の虚空がはじまつてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ここに一切の仏語(ぶつご)はその概念的固定から救われるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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