...その批評家は彼の批評を「批評」と云ふ文芸上の或形式に完成する力をもつてゐるかどうか?――それは又おのづから別問題である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...社会を完成することが自己の完成であり...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...自己を完成するためだけに生きられるでしょう...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...それをただ一人の芸術家の手で完成することははなはだ困難である...
寺田寅彦 「映画芸術」
...日本じゅうが犬だらけになり昭和八犬伝ぐらいはまたたくひまに完成するのである...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...一通り自分自身の踊り方が完成するまではと...
徳田秋聲 「老苦」
...そしてただ一つ活字だけが二十數年後に完成するのだが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...爾後約二ヵ年の日子を費して之を完成することを得た...
戸坂潤 「読書法」
...いまだこの事業を十分に完成することはできなかったが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...バビロンの塔を完成する巨人が出て来ようはずはない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...銅板がなくなってしまえば手もとにある特産植物誌のはしたの本は完成することができないので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この大いにして自由なる我を完成するんだ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...これが完成する前はチャグレス・パナマ間の道路で連絡した...
服部之総 「汽船が太平洋を横断するまで」
...中国制覇の足がかり阿片(あへん)戦争(一八四〇―四二)で中国が開国した後は極東の一角日本を開けばこれで旧文明国を資本主義世界に開放する事業が完成するわけである...
服部之総 「黒船来航」
...元来或る理論の体系を一個人の一生で完成することは...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...六月二十八日(木曜)寺木へ寄る、前歯をすっかりセメントで完成させ、右の奥へ入歯した、明日完成する...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...初めてその絵巻物を突き付けられながら……この絵巻物を完成するために死んでくれ……という意味の熱烈な要求を受けたに相違ない...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...現在の能を完成するために費した底知れぬ苦心研鑽の努力は...
夢野久作 「能とは何か」
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