...自己實現の最後の段階が萬物の救濟に到らざれば完成しないこと――此等の倫理的觀念をも否定するものではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...現在に於ける完備せる資本制度の大勢力は実に数千年の永い歴史的根拠を有し教育習慣等人間生活の凡ての方面に大なる力を以て浸蝕して居るのであるし共産的の精神と教養は遺憾ながら誠に小作人の間には薄く却て都会に於けるよりも資本主義的精神は地方農村に於て溌溂たるの事実に徴する時私は狩太農場の前途を略(ほゞ)推測する事が出来るものと思ふ...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...(未完)以上は、このたび郡内に起これる怪事の実況なるが、これよりいささか、この怪事に関する予の意見を略陳せんとす...
井上円了 「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」
...玉太郎は完全に正気にかえった...
海野十三 「恐竜島」
...完全に職務をなしとげられるような十分安心のできる場所であった...
海野十三 「空襲警報」
...どっちも完全にうまくいった...
海野十三 「千年後の世界」
...これに独創を加へて三光節といふ一種の俚謡を完成し...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...今の場合では初めから大量が一つの完結した一個の量として与えられるに過ぎない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...日本ではドイツ・アカデミー観念論の文化哲学的臭味を今日でもまだ完全には脱却していない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...完全に絶望状態に陥った...
永井隆 「長崎の鐘」
...完成したばかりの「真夏の夜の夢」の総譜を馬車の中に失い...
野村胡堂 「楽聖物語」
...非暴力の完全な否認であつた...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「非暴力」
...「ええ、もう完璧に...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...有用で力ある点では前者の稀にみる完成した生活にはかなわないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...完全なる筆の統御と相俟って...
柳宗悦 「工藝の道」
...鉄のバイトみたようにシッカリと掴んでいる「完全な犯罪」の機構の中から救い出さねばならぬ立場に現在タッタ今置かれて居るのだ……こうして銀座の人ゴミの中をタッタ一人でテクテク歩きながら……と云ったような感じを受けると...
夢野久作 「殺人迷路」
...二人は完全に二人だけで...
吉川英治 「随筆 新平家」
...北条流の軍学を完成するために...
吉川英治 「宮本武蔵」
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