...やわらかな夜具の中に緩(ゆっ)くり身体を延ばして安らかな眠りを待ってる気持はどうだね...
石川啄木 「一利己主義者と友人との対話」
...多くの鳥の囀りが安らかな木の枝の上で唱はれるのと打つて変つて...
薄田泣菫 「独楽園」
...余は病気になって以来今朝ほど安らかな頭を持って静かにこの庭を眺めた事はない...
高浜虚子 「子規居士と余」
...安らかな幸福を俺は...
高見順 「いやな感じ」
...安らかなこの夜の街には...
高見順 「いやな感じ」
...漸く安らかな気持になつていつた...
辰野隆 「浜尾新先生」
...そして安らかな息をしているが...
豊島与志雄 「朝やけ」
...馬車に出会う前の安らかな気持を取り返した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...安らかな音色(ねいろ)があった...
夏目漱石 「三四郎」
...安らかな、穏やかな、殆ど何の脅迫の光線も届かぬ場所に安置されてゐる僕がふとどうにもならぬ不安に駆りたたれてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...安らかな、穏やかな、殆(ほとん)ど何の脅迫の光線も届かぬ場所に安置されている僕がふとどうにもならぬ不安に駆りたてられていた...
原民喜 「鎮魂歌」
...その上私は彼女に安らかな依頼心が起きて...
牧野信一 「鱗雲」
...弟と妹の安らかな寝息を耳に留めながら...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...少しだツて安らかな時(とき)はありやしない...
三島霜川 「虚弱」
...安らかな気持なのだが頭の中がオレンジ色がかった明るさで...
宮本百合子 「寒の梅」
...多量から安らかな美が生れるのをどう考えたらよいか...
柳宗悦 「工藝の道」
...寒む寒むとした快感に似た安らかな含みに感じられて来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...其方が保雄の心は安らかなのである...
與謝野寛 「執達吏」
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