...見ると両方の手がもう半分ぐらい拳固(げんこ)の形になっています...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...両方の手の、大きなにぎりこぶしが、頭の上にふりあげられていました...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...両方の手をさし出しました...
鈴木三重吉 「湖水の鐘」
...仕方なしに両方の手で上の木に抱きつくやうにしてやつと這ひ上る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...両方の手で眼玉を押しつぶすほどに強くぎゅっとおさえる...
太宰治 「鴎」
...お遊さんは水にぬれた両方の手をそのままさし出しさえすれば手ぬぐいを持っている方の女がきれいに拭(ふ)いてあげるという風で足袋(たび)一つはくのにも風呂場(ふろば)でからだを洗うのにもほとんど自分の手というものは使わないのでござりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...気がついてみると両方の手のひらにあぶら汗のようなものがいっぱいににじんでいた...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...こんなうなぎをつかんだといって、両方の手の指で、てんびんぼうほどの太さをして見せるので、ほんとうかと思っていってみると、筆ぐらいのめそきんが、井戸ばたの黒いかめの底にしずんでいるというふうである...
新美南吉 「久助君の話」
...一時はいないも同然だったな」なぜ俺は両方の手が利くように生まれてこなかったのか...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...両方の手の先で盃をおさへて差し出した...
牧野信一 「熱海へ」
...)朝顔型に口の開いた焦茶色のでつぷりとした徳利を傾けてテルヨさんが両方の手の先で支へながら恭々しく酌をするのだが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...でもこのままじゃ」両方の手で唐桟の袢纏の袖口を...
正岡容 「小説 圓朝」
...しまいには両方の手首が痺(しび)れて来まして...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...草の株を掴(つか)んでいる両方の手首が氷のように感じられて来ました...
夢野久作 「死後の恋」
...美紅姫にそっくりそのままの姿をした悪魔で御座いました」「ウーム」と青眼先生が両方の手を石のように握り固めながら...
夢野久作 「白髪小僧」
...トム公は、両方の手を、扉(ドア)と壁に突ッ張って、木靴でバタバタと床をたたいた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...両方の手にワラ草履を持ったままで...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...両方の手を畳について...
吉川英治 「松のや露八」
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