...その事については割合に安々(やすやす)とした心持ちでいる事ができた...
有島武郎 「或る女」
...先刻何事が起つたかも忘れ果てた如く彼等は安々と眼を開いて珍らしげもなくあたりを見て居た...
有島武郎 「潮霧」
...いと安々と彼の希望どおりに運んで行きました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...喜平は自分の眼ひとつで安々と捜(さぐ)り出してゐる...
薄田泣菫 「小壺狩」
...安々と死をもたらすことが出来るのを心より喜んだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...かくて高木氏は高点を収めて安々(やす/\)当選した...
薄田泣菫 「茶話」
...7.僕は貴君にまさかさう安々と私の全財産を取り上げられて默つてゐるわけにはゆかぬ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...不幸にして世間はそう安々と同じ調子で「諒解」はしないだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...かくて安々と玉のような牛の子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...そう安々とは出て来られないはずだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...安々と筆が動いて...
夏目漱石 「それから」
...まるで心太(ところてん)を流すよりも安々と女記者になりすました私は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...」とか「これ位ひのは安々とは見つからないものだらうね...
牧野信一 「淪落の女の日記」
...それにしてもおれは何という安々したいい気持になったことであろう...
室生犀星 「寂しき魚」
...安々とたやすく快楽が享けられるために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかしそういう特別に飛び離れて偉大な人格が今日もなお世界に存在する如くに見え、大多数の人類がそういう偉大なと見える人格に由って音頭を取ってもらわねばならないという事実が、私の考察では、まだ世界の文化が非常に偏頗(へんぱ)な状態にある証拠であり、従って大多数の人類がウィルソンの提議に現れたような正大な思想を、何の凝滞(ぎょうたい)も曲解も反抗もなしに、空気を吸い水を飲むように、安々と肯定し、受容し、味解することの出来る程度に達していないものであることを思わせます...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...養父(おやじ)さんも安々と行く所へも行かれまい」それでも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...安々と身を横たえたくなって来たらしい...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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