...先刻何事が起つたかも忘れ果てた如く彼等は安々と眼を開いて珍らしげもなくあたりを見て居た...
有島武郎 「潮霧」
...一人で安々とこれを持って走ることが出来る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...これは決(けつ)してさう安々(やす/\)と考(かんが)へ出(だ)せるはずのものではないのであるが...
今村明恒 「地震の話」
...喜平は自分の眼ひとつで安々と捜(さぐ)り出してゐる...
薄田泣菫 「小壺狩」
...かくて高木氏は高点を収めて安々(やす/\)当選した...
薄田泣菫 「茶話」
...人工映画の世界においてはあらゆる空想が安々と実現される...
寺田寅彦 「映画芸術」
...列車は何の故障もなく安々と支線へ滑り込んだ...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...かくて安々と玉のような牛の子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...二枚の蹠(あしのうら)に安々と始末する...
夏目漱石 「草枕」
...とにかく安々と夜明まで寝て...
夏目漱石 「坑夫」
...安々と筆が動いて...
夏目漱石 「それから」
...かく安々と胖(ゆた)かなのである...
夏目漱石 「野分」
...しかし第三の玉子は同じ手真似と共に安々と取り出された...
夏目漱石 「明暗」
...君も安々と取れるんだ」「そういう論理(ロジック)になるかしら」「当り前さ...
夏目漱石 「明暗」
...蒸籠(せいろ)二つを安々とやってのけたのは結構だった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...屏風(びょうぶ)を立てたるが如き処を安々(やすやす)と登りて...
柳田国男 「山の人生」
...江戸城を安々と官軍に明け渡してしまったのである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...しかしそういう特別に飛び離れて偉大な人格が今日もなお世界に存在する如くに見え、大多数の人類がそういう偉大なと見える人格に由って音頭を取ってもらわねばならないという事実が、私の考察では、まだ世界の文化が非常に偏頗(へんぱ)な状態にある証拠であり、従って大多数の人類がウィルソンの提議に現れたような正大な思想を、何の凝滞(ぎょうたい)も曲解も反抗もなしに、空気を吸い水を飲むように、安々と肯定し、受容し、味解することの出来る程度に達していないものであることを思わせます...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
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