...その事については割合に安々(やすやす)とした心持ちでいる事ができた...
有島武郎 「或る女」
...今夜こそはわたし久しぶりで安々とした心持ちで寝られるだろうよ...
有島武郎 「或る女」
...先刻何事が起つたかも忘れ果てた如く彼等は安々と眼を開いて珍らしげもなくあたりを見て居た...
有島武郎 「潮霧」
...鼾(いびき)さえかいて安々と何事も忘れたように見えた...
有島武郎 「小さき者へ」
...安々と曳網の浮標を見つけた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...外からその手紙を拾えと電話をかけてくることがそう安々と出来ることだろうか...
海野十三 「蠅男」
...安々(やす/\)と娘の暖(あたゝか)さうな掌面と不恰好な自分のをぴたりと合せたと思ふと...
薄田泣菫 「茶話」
...列車は何の故障もなく安々と支線へ滑り込んだ...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...とにかく安々と夜明まで寝て...
夏目漱石 「坑夫」
...安々と筆が動いて...
夏目漱石 「それから」
...しかし第三の玉子は同じ手真似と共に安々と取り出された...
夏目漱石 「明暗」
...三度目の嘘(うそ)が安々と彼女の口を滑(すべ)って出た...
夏目漱石 「明暗」
...安々とは死ねやしないさ...
林芙美子 「浮雲」
...安々と死んでゆけないぞと云つてゐるやうにも考へられて...
林芙美子 「旅人」
...まるで心天(ところてん)を流すよりも安々と女記者になりすました私は...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...かげに廻(まわ)りては家(うち)の書生(しよせい)がと安々(やす/\)こなされて...
一葉女史 「ゆく雲」
...どんな愛想のいい娘でもそう安々と歓迎する筈はないから...
久生十蘭 「魔都」
...安々とお送り申すであろう」と...
吉川英治 「新書太閤記」
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