...平太郎の友人になっている武内伝吉、横井孫作、森川一平の三人が来て、今晩は寝ずの番をして妖怪の正体を見届けると云った...
田中貢太郎 「魔王物語」
...菊屋傳右衞門は、横山町の大きな金貸しで、五十年輩の酒肥りのした老人ですが、それを圍んで、欄干に猪口(ちよこ)を据(す)ゑた一族郎黨は、番頭の孫作、手代の伴造、遠縁の清五郎、隣の小料理屋――柳屋の主人幸七、その女房で良い年増のお角、出入りの鳶頭(とびがしら)文次、それに若くて綺麗なところでは、娘のお吉、若旦那の許嫁のお延、下女のお市、御近所の娘お六、お舟のともがらを加へてざつと十五人...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...番頭の孫作と隣家の主人――柳屋の幸七でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「何? 血?」と孫作...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...旦那」番頭の孫作と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...清五郎の左は五人の若い娘達、幸七の右隣には、番頭の孫作や、鳶頭の文次、手代の伴造などが居たやうで」「その中に下手人が居ると、先づ誰だと思ふ」「兩隣に居る清五郎か幸七ですね」「二人は眞つ先に疑ひがかゝるわけだ――」「すると、下手人は離れて居た奴ですね」「さう物事を手輕にきめてはいけない、――ところで、身體に血のついてゐるのは誰と誰だ」「幸七と孫作は死體を抱き起してゐますから、此二人は一番ひどく、若い女共を除(のぞ)けば少しつづは皆んなが附いてゐましたよ」「外に氣の付いたことはないのか」「それつきりで」「お前にしちや、それでも行屆いた方だ」「お前にしちや――ですかい、親分」八五郎は少しばかり斜(なゝ)めです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伜は勘當されて潮來(いたこ)に居るし、許婚(いひなづけ)のお延は、下女のやうにコキ使はれて居るし、居候の清五郎は娘のお吉と娶合(めあは)せさうにして、給金のない奉公人見たいに働かせるし、娘のお吉は藝人と驅け落したのを引戻されて、二倍も年嵩(としかさ)の金持の親爺のところへ嫁にやられることになつて居るし」「大變な親爺だな」「まだありますよ、番頭の孫作は、うんと溜め込んだのを發(あば)き立てられて、三百兩から吐き出させられ、手代の伴造は十年越の給金を預つたきり返してくれさうもないのにシビレを切らしてゐますよ」「成程、珍らしい因業(いんごふ)だ」「それで自分だけ三度の膳に贅を盡して、何んとか樣へ寄附しては、でつかい札を建てさせるのばかり見得にして居るんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...番頭の孫作や、手代の伴造の追從顏をするのを宜い加減にあしらつて、平次は先づ主人傳右衞門の死骸を見せて貰ひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それには少しばかりワケが御座います」番頭の孫作は尤もらしい調子で口を容(い)れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...主人が死んで一番喜ぶのは誰だ」「――」孫作は默つてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...亡くなつた主人の遠縁の者で」「此處へ呼んで貰はうか」「へエ」孫作が行つて何やら囁(さゝ)やくと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
便利!手書き漢字入力検索