...絵島丸が横浜の桟橋につながれている間から、人々の注意の中心となっていた田川夫人を、海気にあって息気(いき)をふき返した人魚のような葉子のかたわらにおいて見ると、身分、閲歴、学殖、年齢などといういかめしい資格が、かえって夫人を固い古ぼけた輪郭にはめこんで見せる結果になって、ただ神体のない空虚な宮殿のような空(そら)いかめしい興なさを感じさせるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...学殖(がくしょく)にしろ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...しからばあらゆる大学教授の学殖はすべて同一であるかというに...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...学殖(がくしょく)徳行衆に抽(ぬき)んず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...公式や教師的学殖の正常な役割を...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...夫はアカデミー的学殖をさえ意味する...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...学殖・博学なる知識それ自らだけでは(之は元来学問性概念とは一応別であったのである――前を見よ)...
戸坂潤 「科学方法論」
...読書(本の所有)を浪費しているブルジョアや地主の学殖ある馬鹿息子と...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...わずかに学殖的に荘厳にしたようなものが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...そういう意味で所有されているインテリ的な知能技術や文献的学殖も...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...父の遺嘱(いしょく)による感激が学殖・観察眼・筆力の充実を伴ってようやく渾然(こんぜん)たるものを生み出すべく醗酵(はっこう)しかけてきていた...
中島敦 「李陵」
...先生の学殖(がくしょく)とか造詣(ぞうけい)とかを批判する力はまるでなかった...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...それに深い学殖とが...
野村胡堂 「胡堂百話」
...学殖のある紳士――先づ資産のある大学教授位の位置(ところ)とする...
二葉亭四迷 「未亡人と人道問題」
...この人はことに深い学殖のある博士なのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...先生には学殖ある友人もあり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかしわたくしは学殖なきを憂ふる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...学殖の深かった抽斎が...
森鴎外 「渋江抽斎」
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