...絵島丸が横浜の桟橋につながれている間から、人々の注意の中心となっていた田川夫人を、海気にあって息気(いき)をふき返した人魚のような葉子のかたわらにおいて見ると、身分、閲歴、学殖、年齢などといういかめしい資格が、かえって夫人を固い古ぼけた輪郭にはめこんで見せる結果になって、ただ神体のない空虚な宮殿のような空(そら)いかめしい興なさを感じさせるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...プラトンプラトンは学殖の深いモラリストであり...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...で交われば交わるほど先生の人格と学殖とに感心した...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...しからばあらゆる大学教授の学殖はすべて同一であるかというに...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...しかるに学殖の富衍(ふえん)なる...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...こういうアカデミックな学殖を背景とした批評家が...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...芸術史的学殖がこの社会科学的認識と結びついた場合もあれば...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...夫はアカデミー的学殖をさえ意味する...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...そこには彼の実際的経験や学殖や世界観や一般的生活意識やがある...
戸坂潤 「思想としての文学」
...博士の実際家らしい板についた引例や多量の学殖は...
戸坂潤 「読書法」
...今日の「学問」とか「教養」とか「学殖」とかというものの大半が...
戸坂潤 「読書法」
...父の遺嘱(いしょく)による感激が学殖・観察眼・筆力の充実を伴ってようやく渾然(こんぜん)たるものを生み出すべく醗酵(はっこう)しかけてきていた...
中島敦 「李陵」
...先生の学殖(がくしょく)とか造詣(ぞうけい)とかを批判する力はまるでなかった...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...此人の学殖があつて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...中に学殖あるものは「鈴木宜山(ぎざん)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかしわたくしは学殖なきを憂ふる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...学殖において彼ほどでないのが更に二人おりまして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...また、天皇親政このかた、おちこちの新関(しんせき)は撤廃し、記録所を興して、寺社の訴訟も親しく聴かれ、御余暇といえ、学殖のお養い、禅の研鑽(けんさん)など、聖天子たるの御勉強には、大御心のたゆむお暇も仰げぬという...
吉川英治 「私本太平記」
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