...4大なるものを孕む心は眞正に謙遜を知る心である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...謙遜のこゝろは孕むより産むに至るまでの母體の懊惱のこゝろである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...九端帆の風を孕むや行々子女中來りて...
大町桂月 「川魚料理」
...魂の孕むすべての美しいものは...
薄田泣菫 「独楽園」
...夜あらしを孕む黒雲に吐かれて出でし夜半の月よみの光をほの見せて片破の影ものすごや...
土井晩翠 「天地有情」
...独特の風格を孕むことになる...
戸坂潤 「思想としての文学」
...之は日ソ国交上重大な結果を孕むものと信じる...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...将来への夢を多く孕むものである...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...いつでも想う人の子を孕むことができるというその心をうたったものと解して居ります...
久生十蘭 「玉取物語」
...無の體驗とも考へられる創造の體驗は却て最も積極的なものを孕む...
三木清 「歴史哲學」
...かの「現在は過去を含み未來を孕む」といふことが時間の優越な姿を現はすこととなり...
三木清 「歴史哲學」
...烏羽玉(うばたま)の夢ちゅう物は誠に跡方もない物の喩えに引かるるが、古歌にも「夢と知りせば寤(さめ)ざらましを」と詠んだ通り、夫婦情切にして感ずる場合はまた格別と見え、『唐代叢書』五冊に収めた『開元天宝遺事』に、〈楊国忠(ようこくちゅう)出でて江浙に使し、その妻思念至って深し、荏苒(じんぜん)疾くなり、たちまち昼夢国忠と○、因って孕むあり、後に男を生み朏(ひ)と名づく、国忠使帰るに至るにおよび、その妻具(つぶさ)に夢中の事を述ぶ、国忠曰く、これけだし夫婦相念い情感の至る所、時人譏誚(きしょう)せざるなきなり〉...
南方熊楠 「十二支考」
...三五〇巻に、〈『魏書(ぎしょ)』いわく、青海周囲千余里、海内小山あり、毎冬氷合の後、良牧馬を以てこの山に置き、来春に至りこれを収む、馬皆孕むあり、生まるるところの駒、名号竜種と為す、必ず駿異多し、吐谷渾かつて波斯(ペルシヤ)馬を得、放ちて海に入れ、因って駒を生み、能く日に千里を行く、世に伝う青海はこれなり〉、『隋書』煬帝(ようだい)紀、〈大業五年、馬牧を青海渚中に置き、以て竜種を求め、効なくしてやむ〉...
南方熊楠 「十二支考」
...近所に一疋も牡なきに孕むを...
南方熊楠 「十二支考」
...追々は竜の精を含める水さえ呑(の)めば孕むと想い...
南方熊楠 「十二支考」
...女はいつ誰の種を孕むやら自分ですら知らぬ場合もあるもの故(仏教にこれを知るを非凡の女とす)...
南方熊楠 「十二支考」
...婦人これを見て帰れば孕む...
南方熊楠 「十二支考」
...これを孕む時近所の木にケシてふ猴居るを見たから...
南方熊楠 「十二支考」
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