...4大なるものを孕む心は眞正に謙遜を知る心である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...謙遜のこゝろは孕むより産むに至るまでの母體の懊惱のこゝろである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...九端帆の風を孕むや行々子女中來りて...
大町桂月 「川魚料理」
...幸(さち)や孕むと疑はる...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...魂の孕むすべての美しいものは...
薄田泣菫 「独楽園」
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鶴彬 「鶴彬全川柳」
...文化の単なる向上という言葉はすでに多義性を孕むに至っている...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...之は日ソ国交上重大な結果を孕むものと信じる...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...「現在は過去を含み未來を孕む」Le prsent est plein du passet gros de l'avenir といふライプニツの言葉は...
三木清 「歴史哲學」
...かの「現在は過去を含み未來を孕む」といふことが時間の優越な姿を現はすこととなり...
三木清 「歴史哲學」
...『楚辞』に顧兎とあるは注に顧兎月の腹にあるを天下の兎が望み見て気を感じて孕むと見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...烏羽玉(うばたま)の夢ちゅう物は誠に跡方もない物の喩えに引かるるが、古歌にも「夢と知りせば寤(さめ)ざらましを」と詠んだ通り、夫婦情切にして感ずる場合はまた格別と見え、『唐代叢書』五冊に収めた『開元天宝遺事』に、〈楊国忠(ようこくちゅう)出でて江浙に使し、その妻思念至って深し、荏苒(じんぜん)疾くなり、たちまち昼夢国忠と○、因って孕むあり、後に男を生み朏(ひ)と名づく、国忠使帰るに至るにおよび、その妻具(つぶさ)に夢中の事を述ぶ、国忠曰く、これけだし夫婦相念い情感の至る所、時人譏誚(きしょう)せざるなきなり〉...
南方熊楠 「十二支考」
...近所に一疋も牡なきに孕むを...
南方熊楠 「十二支考」
...女はいつ誰の種を孕むやら自分ですら知らぬ場合もあるもの故(仏教にこれを知るを非凡の女とす)...
南方熊楠 「十二支考」
...猴食わず交わらずば孕む事なし...
南方熊楠 「十二支考」
...新しい開拓として大きな未来を孕むものと思へる...
柳宗悦 「和紙十年」
...不明の兇漢に探偵劇王刺殺さる孤児となった女優天川呉羽(あまかわくれは)哭(な)いて復讐を誓う秘密を孕む怪悲劇市内大森区山王×××番地轟(とどろき)九蔵氏(四四)は帝都呉服橋電車通...
夢野久作 「二重心臓」
...荘厳な式場もために一角から崩れかかる危機を孕む...
横光利一 「欧洲紀行」
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