...それは彼等の好意を得ることにも何か彼等の権力に媚びる卑しさの潜んでいる為だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...さもなければ彼等の同性愛に媚びる醜さの潜んでゐる為だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...可愛らしい(以下四十六字伏字)ちょっと唇を押し当てて媚びるような微笑を遠くの方から送ります...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...媚びる心も無かつた...
太宰治 「義務」
...主人の趣味にばかり媚びる訳に行かない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...媚びるような微笑を見せてフォン・コーレンと握手をした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...吐きだすようなまた媚びるような調子で――「いやな人ね……...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...媚びるような笑みを浮べて...
豊島与志雄 「未亡人」
...彼女は媚びるようなしなをしながら...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...「でも――」綱手は、媚びるように、甘い口調であった...
直木三十五 「南国太平記」
...いとけなく育(はぐ)くまれるものの愛に媚びる感覚が...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...田舍の投書家に媚びる事を專門にする賣名專門の徒...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...媚びるところの一つもない口元を真面目に閉じているイエニーの顔つきには...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...温順を裝つて權勢に媚びる態度ではない...
森林太郎 「高瀬舟」
...お前さんもこの媚びるような物の音(ね)がお好(すき)なの...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...人に媚びるやうな光沢を現した...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...権門に媚びる才もなく...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...いま曹操の下風(かふう)に媚びる必要がありましょう...
吉川英治 「三国志」
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