...さもなければ彼等の同性愛に媚びる醜さの潜んでゐる為だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...謙遜とは自己の長所に對する公正なる自認を塗りかくして周圍の有象無象に媚びることによつて釣錢をとることならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...』3『お前は憐みのために他人の弱點に媚びることをせぬ點に於いては...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...すると福富は又媚びるやうな目附をして斯う言つた...
石川啄木 「葉書」
...すると福富は又媚びるやうな目付をして斯う言つた...
石川啄木 「葉書」
...自分に媚びるな一...
種田山頭火 「行乞記」
...隠すことなく飾ることなく、媚びることなく...
種田山頭火 「旅日記」
...細君は前より一層人に媚びるやうな調子で云つた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...即ち俗流に媚びるといふ樣な不眞面目な要素を去つて動くならば...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...民衆に媚びることをしか為さない...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...それから媚びるように云った...
豊島与志雄 「霧の中」
...素人らしい臆病さで媚びるやうに見開かれてゐる二つの眼には...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...時々は媚びるような薄笑いを...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...何か自己に媚びるものがあるからである...
三木清 「人生論ノート」
...田舍の投書家に媚びる事を專門にする賣名專門の徒...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...いかにも乙女らしく媚びることも知らず描かれているが...
「朝の風」
...ほとんど人に媚びるような眼の色であつた...
三好十郎 「肌の匂い」
...いま曹操の下風(かふう)に媚びる必要がありましょう...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索