...それは彼等の好意を得ることにも何か彼等の権力に媚びる卑しさの潜んでいる為だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...謙遜とは自己の長所に對する公正なる自認を塗りかくして周圍の有象無象に媚びることによつて釣錢をとることならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...』3『お前は憐みのために他人の弱點に媚びることをせぬ點に於いては...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その慢心に媚びるやうな幻を描いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
......
有島武郎 「フランセスの顔」
...可愛らしい(以下四十六字伏字)ちょっと唇を押し当てて媚びるような微笑を遠くの方から送ります...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...媚びる心も無かつた...
太宰治 「義務」
...自分に媚びるな一...
種田山頭火 「行乞記」
...民衆の既成常識や卑俗常識に媚びるという手もあるだろう...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...彼女は媚びるような眼附をして彼の眼を見返した...
豊島与志雄 「恩人」
...「でも――」綱手は、媚びるように、甘い口調であった...
直木三十五 「南国太平記」
...パンケーキ・シュゼットの媚びるやうな味も今は夢...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...みんながトリユックの怜悧さうな顔を映したいといふので……アンネットさんはやさしく媚びるやうに笑つて是をすかさんと試み...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...母にのみ媚びるが如き...
牧野信一 「熱海へ」
...媚びるところの一つもない口元を真面目に閉じているイエニーの顔つきには...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...人に媚びるやうな光沢を現した...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...権門に媚びる才もなく...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...東京から歸つて來なさつたんだからねえ!」と何となく媚びるやうな瞳附で私の眼もとを見詰むる...
若山牧水 「姉妹」
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