...それは彼等の好意を得ることにも何か彼等の権力に媚びる卑しさの潜んでゐる為だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...自分に媚びるな一...
種田山頭火 「行乞記」
...媚びるような微笑を見せてフォン・コーレンと握手をした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...お島は母に媚びるためにお守札や災難除のお札などを...
徳田秋声 「あらくれ」
...即ち俗流に媚びるといふ樣な不眞面目な要素を去つて動くならば...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...民衆に媚びることをしか為さない...
豊島与志雄 「異邦人の意欲」
...それから媚びるように云った...
豊島与志雄 「霧の中」
...吐きだすようなまた媚びるような調子で――「いやな人ね……...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...彼女は媚びるようなしなをしながら...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...力をこめた媚びるような調子で言い進んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...我々批評家は好い加減な事を云つて作家に媚びるよりも...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...素人らしい臆病さで媚びるやうに見開かれてゐる二つの眼には...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...女たちにむかつて媚びるやうな踊り方をしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...外国人に媚びるものである...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...パンケーキ・シュゼットの媚びるやうな味も今は夢...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...田舍の投書家に媚びる事を專門にする賣名專門の徒...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...温順を裝つて權勢に媚びる態度ではない...
森林太郎 「高瀬舟」
...東京から歸つて來なさつたんだからねえ!」と何となく媚びるやうな瞳附で私の眼もとを見詰むる...
若山牧水 「姉妹」
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