...慵鬟高髻緑婆娑(ようかんこうきつみどりばさ)早く蘭窓に向って碧荷(へきか)を繍(しゅう)す刺して鴛鴦(えんおう)に到って魂(たましい)断(た)たんと欲す暗に針綫(しんせん)を停(とど)めて双蛾を蹙(ひそ)むというのであった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...柿の葉はばさり――昔の人は婆娑と書いたがその通り...
種田山頭火 「行乞記」
...牛込神楽坂(うしごめかぐらざか)浄瑠璃坂(じょうるりざか)左内坂(さないざか)また逢坂(おうさか)なぞのほとりに佇(たたず)んで御濠(おほり)の土手のつづく限り老松の婆娑(ばさ)たる影静なる水に映ずるさまを眺めなば...
永井荷風 「日和下駄」
...婆娑たる命は旦夕(たんせき)に逼(せま)る...
夏目漱石 「野分」
......
三好達治 「山果集」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
...莫大な賭け物をかけたりする婆娑羅な人々もあるとは――高氏も...
吉川英治 「私本太平記」
...あの婆娑羅大名の若入道を...
吉川英治 「私本太平記」
...――あの婆娑羅めが...
吉川英治 「私本太平記」
...伊吹の婆娑羅(ばさら)天狗だったな...
吉川英治 「私本太平記」
...婆娑羅者(ばさらもの)の荒さとはちがう荒さなのである...
吉川英治 「私本太平記」
...この世間どこにいても心配はないはずだっけな」婆娑羅大将(ばさらたいしょう)むかしは誰の邸宅か...
吉川英治 「私本太平記」
...私生活では婆娑羅(ばさら)な見得者(みえしゃ)の彼でいながら...
吉川英治 「私本太平記」
...こうなれば婆娑羅(ばさら)の本領である...
吉川英治 「私本太平記」
...えせ小鷹手ごとに誰も持ちたれど鳥捕る事はさらになし鉛(なまり)作りの大がたな太刀より優(いう)に拵へて前下がりにぞ指し誇(ほ)らす婆娑羅扇(ばさらあふぎ)の五ツ骨広腰...
吉川英治 「私本太平記」
...この婆娑羅同士のことである...
吉川英治 「私本太平記」
...これも当世流行の婆娑羅型(ばさらがた)の人物のひとりではあるが、師直の婆娑羅、道誉の婆娑羅、個性さまざまな婆娑羅ぶりの中で、師泰ときては、ひどく単純な――いわば伝統無視の露骨な快楽主義者といったような男だった...
吉川英治 「私本太平記」
...大きな人影が婆娑(ばさ)として壁に映る...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索