...然(しか)らば我等は今日よりも合理的に娑婆苦を嘗(な)むることを得べし...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...娑婆界(しやばかい)の風に吹かれてゐる...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...きっと」「娑婆? するとあんたは――」丹尾は言いにくそうに発音した...
梅崎春生 「幻化」
...娑婆の衆生、臭骸相抱いて樂しむも、竟にこれ造化が人をして子孫をつくらしむるの惡戯なるを知らず...
大町桂月 「金華山」
...娑婆と冥途は程遠し...
中里介山 「大菩薩峠」
...嘆きと煩悩(ぼんのう)の娑婆(しゃば)世界に外ならない...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...娑婆に置いて呉れ」彼は手を合せて頼んだ...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...娑婆でのさばっとる奴等の方に...
火野葦平 「花と龍」
...あたし娑婆では安らかな思ひをすることが出来ませんでしたの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...娑婆(しゃば)世界の衆生剛強度しがたき故...
南方熊楠 「十二支考」
...まだ娑婆(しゃば)の食物を何も食べないで清潔なものだ...
村井弦斎 「食道楽」
...「露蕉風竹影婆娑...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...娑婆で作った因果の報(むく)いで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...すべての娑婆世界の利害損失の観念...
夢野久作 「鼻の表現」
...娑婆(しゃば)の波風の中でも一番荒い処を渡って来た人で...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...けれど善根のものもこの娑婆(しゃば)では...
吉川英治 「江戸三国志」
...助からない娑婆なのだ...
吉川英治 「折々の記」
...婆娑羅(ばさら)な半面もよく気が合うし...
吉川英治 「私本太平記」
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