...手の舞い足の踏むを知らざるの妙境に達することを得るは...
井上円了 「おばけの正体」
...私はこの能楽の至妙境(しみょうきょう)は...
上村松園 「無表情の表情」
...この妙境に達するには...
薄田泣菫 「茶話」
...陶然(とうぜん)として即身成仏(そくしんじょうぶつ)の妙境(みょうきょう)に入(い)って了う...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...自然が一寸静座の妙境(みょうきょう)に入る其幽玄の趣(おもむき)は言葉に尽くせぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...事の妙境に触るるを見てとった時には...
中里介山 「大菩薩峠」
...初めて自由の妙境が現われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...ある者は型から入って自由の妙境に遊び...
中里介山 「大菩薩峠」
...ようやく妙境に入って...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友が手練の入興はようやく酣(たけな)わになりまさって行って――ようやく忘我の妙境に深入りして行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...果実と山人との間の天然の親しみの不可分な妙境の尊さででもあった...
中島哀浪 「かき・みかん・かに」
...観照の妙境に到達している...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...甚だ耳に親しくなつてゐる鐘声にこもる四句の偈中寂滅為楽の妙境が鐘声といふ音楽に現はれる代りに...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...風格を注ぎ込まうといふ妙境なのである……...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...肚を据ゑて想ひを凝らすといふやうなことを呟いで能ふ限り悠悠たる妙境に耽らうとしてゐる岡の眼ざしは...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...父親は話はこれから妙境にはいるのだと言ひ直し...
室生犀星 「末野女」
...「源静院妙境信女...
森鴎外 「渋江抽斎」
...剣禅一致の妙境に悟入し得て...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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