...この本には、日本文学の妙味がたっぷりと詰まっている...
...料理の妙味は、新鮮な食材と素材への愛情から生まれる...
...旅行の醍醐味は、その土地特有の妙味を感じることだ...
...彼女の歌唱力の妙味は、その独自のフレーズや表現にあった...
...この菓子の妙味は、口に入れた瞬間に広がる濃厚な味わいだ...
...口を極めて原作と訳文との妙味を嘖々(さくさく)激称したは石橋忍月(いしばしにんげつ)であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...恐ろしい殺人の手段に使われるという対照に妙味があるせいか...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...その妙味の汲みつくし難い大洋のような分厚い重さ...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...長門峡は兎に角あの狭さと長さと屈曲した形を持続してゐるところにその妙味を存してゐる...
田山録弥 「あちこちの渓谷」
...この一部が偶然にライオンの背景の中に出ているのも実写映画の妙味である...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...臭みもあるかもしれないがやはりこの人らしい妙味はあるであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...しかしそこにまたこの時計の妙味もあるのである...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...いろいろの個性が交響楽を織り出すところに妙味がある...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...しかも独特なある妙味さえある云々(うんぬん)...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...が、何と云(い)つても探偵小説でその構想の卓拔、トリツクの妙味、筋の複雜、心理解剖の巧さ、文章の流麗、それに可成(かな)りな藝術味を加へて、全く興味津々卷(くわん)をおほう能はざらしめるものはモオリス・ルブランの作品にまさるものはない...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...僕は人生の妙味(みょうみ)とか真の幸福とかを重く思うから...
新渡戸稲造 「自警録」
...その完全に咀嚼しつくされた妙味に...
長谷川時雨 「八歳の時の憤激」
...真淵は実朝の歌の妙味の半面を知りて他の半面を知らざりしゆえに可有之(これあるべく)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...白楽天が聞いたという鄂州(がくしゅう)の女の琵琶もこうした妙味があったのであろうと源氏は聞いていたのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...腋(わき)の下の縫い目などに十分のユトリと巧妙味(うまみ)を見せているところだの...
夢野久作 「暗黒公使」
...――それは、自分を偉く見せようとか、得意気に調子づくとかいう、誰にもあり勝ちな飾り気の全く見えない――余りにも正直すぎるくらいな藤吉郎の淡々たる舌の音に、妙味というか、呆れたというか、とにかく信長の心でもちょっと推(お)し量(はか)り切れないものが、信長の顔を包んでしまったように見えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...大慈大悲という言葉の妙味が思わず胸に浮かんでくる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...たとえば仏教経典の詩的妙味を解するためには...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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