...彼には妙に不気味に感じられた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...神妙にしばらく酒から遠ざかっていたのであるが...
太宰治 「酒の追憶」
...ほんとうに結構ですわ」とマダム・ヴァンクールはにやにや笑いながら妙に皮肉ないい方をした...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...……なあに?」いつも、自分のことを先に、快活に、話してのけて、けろりとする彼女だったが、それが、妙に慎重に、尋ねかけてきた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...びゅうんと奇妙に甲高い爆音を聞いた...
永井隆 「長崎の鐘」
...敷居際から妙に声を顫(ふる)わせております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...神妙にしろ――死骸の首には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙に人目に立つて困るといふので」「昨夜では無かつたのか」「――確(たし)か...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...雨景の中でぽうと呼吸(いき)をすひこむ靈魂妙に幽明な宇宙の中で一つの時間は消抹され一つの空間は擴大する...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...妙にしょんぼりと...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...子を失った彼女は奇妙に若返った...
原民喜 「酸漿」
...この時も妙に心が迷つてならなかつた...
牧野信一 「妄想患者」
...三年はその日は食堂などでも一般に妙に落付いていて...
「海流」
...東国の地名では妙に聞える公文名(くもんみょう)などという地名は...
柳田國男 「名字の話」
...衣巻などでさえ妙に隔てのある口をきいた...
山本周五郎 「契りきぬ」
...彼女は少し氣でも妙になつたかのやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼の馬が妙に狂って...
吉川英治 「三国志」
...美男葛(びなんかずら)のつるのからんでいるのが妙に心をひく...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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