...座附(ざつき)女優諸嬢の妖艶なる湯上り姿を見るの機を得たのもこの時を以て始めとする...
永井荷風 「十日の菊」
...この妖艶なる君が形体は...
永井荷風 「舞姫」
...草書で書いた妖艶なお妾などを置いたもので...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...妖艶な姿態(ポーズ)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...丸(まる)ぽちゃの、なんとなく可愛気のある顔立ちで、妖艶なお粂とは、好い対照になります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俗悪妖艶な普賢像をこの世に遺(のこ)すことを悲しみ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは二十一といふ咲きこぼれさうな妖艶な女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この妖艶な女の毒舌は妙に人を苛立(いらだ)たせます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...曾て多勢の人を惱ました妖艶な顏は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかも大年増の妖艶な女から...
野村胡堂 「流行作家の死」
...薔薇の花の妖艶な姿もここ迄来ればよくあらはれる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...同地で最も妖艶な女性といえども...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...それらの中でやはり特記しておいていいのは今日の漫才をもっともインテレクチュアなものにした「ハムレット」のオフィリア狂乱の場なる掛け合いなんせんすを妖艶な支那服の似合ったよくユーモアを解する女流文筆家とレコードへ吹き込んだことだろう...
正岡容 「わが寄席青春録」
...にんがりと踏みつぶしたような妖艶な微笑がうかんで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...なまめかしく、妖艶な舟だ...
横光利一 「欧洲紀行」
...珊瑚に似た妖艶な色を浮べているのを矢代はじっと見ていると...
横光利一 「旅愁」
...そこに坐った妖艶なお粂のすがたが映っている...
吉川英治 「江戸三国志」
...脂肪が少ないために異常に鋭くなっている顔の輪郭の線や、眼、鼻、唇などを刻み出す細かい微妙な線などには、豊かという感じがまるで欠けていると共に、妖艶な、すご味のある、奇妙な美しさがあふれている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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