...鎌倉の宿に於いてかの女が如何にも妖艶な微笑を以つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...白粉でよごれた平常衣(ふだんぎ)の襟をくつろげて今化粧を終つたらしい首を突出してゐる妖艶な姿に見とれる間も無く...
高濱虚子 「俳諧師」
...清吉は又奇警な構図と妖艶な線とで名を知られた...
谷崎潤一郎 「刺青」
...昔はある名士の持物で、名士の没後一度結婚したこともあつたが、転輾して外人の持ちものとなつてから、ホテルのダンス場や、公使館などにも姿を現して、妖艶なその顔と、派手な扮装で人を惹きつけた、この海岸にホテルを初めたのは、限りなく彼女を愛してゐた其の外国人が可なりな財産を与へて本国へ帰つてから二三年たつてからであつた...
徳田秋聲 「浪の音」
...その代り妖艶な美しさは無く可愛らしくいじらしいというだけで...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...妖艶な取りなしが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...妖艶な姿態(ポーズ)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...丸ぽちやの、何んとなく可愛氣のある顏立ちで、妖艶なお粂とは、好い對照になります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俗悪妖艶な普賢像をこの世に遺(のこ)すことを悲しみ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは二十一といふ咲きこぼれさうな妖艶な女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妖艶な感じのする...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お銀に比べると妖艶な魅力はありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時には異国的な邪悪妖艶な楽の音が漏れ...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...しかも大年増の妖艶な女から...
野村胡堂 「流行作家の死」
...その時は運動会だけで妖艶な夜の雰囲気には接しないで帰った...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...極めて妖艶な哀艶な詩趣を漲らせ...
正岡容 「吉原百人斬」
...そうしてその代りに妖艶な若侍の姿が...
夢野久作 「斬られたさに」
...なまめかしく、妖艶な舟だ...
横光利一 「欧洲紀行」
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