...如実に万象を観ざる可らず...
芥川龍之介 「梅花に対する感情」
...如実に示している...
石川欣一 「比島投降記」
...如実に演じられますが...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...純一無垢な自然の欲望の止みがたさを如実に歌つてゐるものは...
薄田泣菫 「独楽園」
...額の皺が人間の閲歴を如実に語るものである事は言う迄もなかろう...
高村光太郎 「人の首」
...吾れは唯(たゞ)自ら見得せる所を如実に語り出(い)づべきのみ...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...それも今この眼前の老人の「七十銭」と「タオル」の事件に際して再び如実に思い出したのであった...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...芭蕉の数奇をきわめた体験と誠をせめる忠実な求道心と物にすがらずして取り入れる余裕ある自由の心とはまさしくこの三つのものを具備した点で心敬の理想を如実に実現したものである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...女の言うことを如実に証明しているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...現実の(真(しん)とは言わなかった)真味を如実に描写するものである...
二葉亭四迷 「平凡」
...作家のサブジェクチウィチー即ち主観に摂取し得た現実の真味を如実に再現するものである...
二葉亭四迷 「平凡」
...眼(がん)の配りたったひとつで如実に表さなければならない「噺」の世界では...
正岡容 「小説 圓朝」
...同じとっちりんとんで朝顔の琴の音はあまりにも如実に...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...如実に目に泛んで来る...
正岡容 「大正東京錦絵」
...誰が歩いてもすぐに如実に眼に映ることだから...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...当時の法官採用試験の実状を如実に物語っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...如実に説明した発表は...
夢野久作 「暗黒公使」
...――当夜の模様はと、問いただせば、「板屋びさしの弓長屋に、ひっそり縁者どもが寄り、簀掻藁(すがきわら)を床(とこ)にしいて、うす暗い短檠(たんけい)の明りが三ツ四ツ、聟どのと花嫁が中ほどに坐って、形ばかりの杯事(さかずきごと)をしたまでのこと――」と、如実に語って、「――花嫁の気は知れぬが、たださしうつ向き、聟の猿どのは、けろりとしたものよ」ということだった...
吉川英治 「日本名婦伝」
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