...どうも俳人と云うものは案外世渡りの術に長じた奸物らしい気がしていた...
芥川龍之介 「飯田蛇笏」
...ながく古河の奸策のために口を緘されていたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それは昨年の十月二十九日陰険奸黠(かんかつ)な英帝国の対支策謀の事実が次から次へと暴露してちょうどこの日赤坂三会堂における第三回の排英大会に我が日本国民の血潮が沸騰し切っていたその当日のことであった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...是れと同時に奸魁処罰の詔勅は出でたり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...奸吏へ金銭を差送り...
中里介山 「大菩薩峠」
...奸の奸たる毒素も持たざるなし...
中里介山 「大菩薩峠」
...「貴様等は奸物だから...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...奸智(かんち)だけは人の三人前もあるから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蛇は犬の奸計とは気付かず爾来頭が痛むごとに律義に犬の訓(おし)え通り官道へ横たわり行く...
南方熊楠 「十二支考」
...嫉妬深くて奸譎で...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...平四郎の如き朝廷を誣罔(ぶまう)する大奸賊登庸(とうよう)せられ...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...寅寿は奸臣と呼ばれながら...
山本周五郎 「新潮記」
...男は「奸物(かんぶつ)」というような叫びをあげ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...如何なる奸悪(かんあく)無道な所業といえども...
夢野久作 「少女地獄」
...馬騰はいよいよ空とぼけて、「奸賊の、不忠のと、それはそも、誰のことをいわれるのか」「もちろん曹操のことだ」「大きな声を召さるな...
吉川英治 「三国志」
...これへ持ち出したのでもそれは読めるというものだ」兄のそんな偏愛と師直の奸策とが結ばれて...
吉川英治 「私本太平記」
...奸を討つしかないと...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...この種の群衆は初めは修道に似るもついには奸乱(かんらん)をなすに至るだろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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