...その柱に添うて女竹のやうな竹が二三本立ち小さなその葉がぢつと立つてゐた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...其所の花壇の朝顔に立てた女竹の一本を抜いたその女竹に絡んで咲いてゐた朝顔の萎れた紫の花が...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...最初は女竹(めだけ)の藪の中を流れ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...五月雨(さみだれ)に四尺伸びたる女竹(めだけ)の...
夏目漱石 「一夜」
...冬を凌(しの)ぐ女竹(めだけ)の...
夏目漱石 「虞美人草」
...そのうちに長女竹子をあげる(弘化三年)...
服部之総 「志士と経済」
...裏で出来た女竹(めたけ)の煮たのが三切れはいっていて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...能勢因幡守(のせいなばのかみ)の二女竹姫を奥方に迎え...
久生十蘭 「鈴木主水」
...加賀騒動の講談に大槻蔵人一味の老女竹尾が彼輩姦謀露(あら)われた時蛇責めに逢うたとあるは多分虚譚であろう...
南方熊楠 「十二支考」
...飴売りや風吹く秋の女竹やまふ人の今日鋏する柘榴かな病を養つて伊豆に客なる梶井基次郎君より返書あり...
三好達治 「測量船」
...二女竹姫はのちに有吉(ありよし)頼母(たのも)英長(ひでなが)の妻になる人である...
森鴎外 「阿部一族」
...右の方は女竹(めだけ)が二三十本立っている下に...
森鴎外 「心中」
...叛骨窓の女竹(めだけ)にぱらぱらと夜半(よわ)の雨がこぼれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...窓の女竹がさやさやと風でもあるように戦(そよ)いだのも感じていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...……云々なお、詳しい調べに依ると、実生(みしょう)の小松やら、合歓(ねむ)、女竹、草には薄(すすき)、苺(いちご)、蕗(ふき)の類などが雑生していたというから――慶長十七年の春四月の頃だったという、武蔵と巌流との試合が行われた当時の島の風趣は、ほぼ推測することができよう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...女竹(めだけ)のうえの風鈴(ふうりん)だのを...
吉川英治 「松のや露八」
...窓の女竹(めだけ)に絶えまなく涼風が戦(そよ)いで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ただ中庭の坪(つぼ)の女竹(めだけ)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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