...奥のほうに何か騒動が起こっているに...
海野十三 「怪星ガン」
...懐中電灯で奥のほうをしらべましたが...
江戸川乱歩 「大金塊」
...「てる坊!」と奥のほうへ呼びかけた...
太宰治 「古典風」
...この疑いはいつまでも私の心の奥のほうに小さな傷あとのようになって残っている...
寺田寅彦 「子猫」
...その奥のほうにこれもどこかの払下品なのだろう...
久生十蘭 「金狼」
...楽屋の奥のほうの座敷へついていった...
正岡容 「寄席」
...テラスの奥のほうには...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...ずっと奥のほうへ寄って乗った人々の服装の優美な色も童女の上着の汗袗(かざみ)の端の少しずつ洩(も)れて見える様子にも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...奥のほうの几帳(きちょう)の蔭に来ている気配(けはい)を薫は知り...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ずっと奥のほうに中の君のいるのも恨めしくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...奥のほうはおすえちゃんと二人で揃えたんだ」「よくそんな金があったな」「怒られるかもしれねえが」とさぶがあやまるように云った...
山本周五郎 「さぶ」
...森の奥のほうへ」「お口数が過ぎます」と重太夫は睨みつけ...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...信長のいる奥のほうへ...
吉川英治 「新書太閤記」
...奥のほうから、ムーッと温(ぬる)い火(か)ッ気(き)が流れてきて、うろたえ廻る裾(すそ)や袂(たもと)に、渦になった黒煙が真綿(まわた)のようにまつわりだす...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...奥のほうからガアーンと返ってくるのは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...介三郎ひとりが、紋太夫の家から押収して来た例の書簡や連判をひと抱えに持って、奥へはいって行った後も、悦之進や林助や与平たちは、壁の陰からのぞいて、(首尾如何(いか)に?)と、奥のほうを、いつまでも窺(うかが)っていたが、かく、事ありげに、立ち群れているのはよろしくないと、人見又四郎に注意されて、(いかにも)とばかり頷(うなず)きあい、にわかに、そこらのさむらい部屋のほうへ、各すがたをひそめてしまった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...広い中庭のずっと奥のほうに...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...わたしは奥のほうに腰をかけた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
便利!手書き漢字入力検索