...おまえが一人選んだら、俺たちあとに残された四人は、きれいに未練を捨てて、二人がいっしょになれるように、極力奔走する...
有島武郎 「ドモ又の死」
...国事に奔走する憂国の志士の心事も――無論少数の除外はあるが――後世の伝記家が痛烈なる文字を陳(つら)ねて形容する如き朝から晩まで真剣勝負のマジメなものではないであろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...未だ青年に伍して奔走する元気があると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...いろいろ苦心をされ知り合いのうちにこんなことを引き受けて奔走する人があって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その間を抜けてああ云う風に小まめに奔走すると云うのは...
谷崎潤一郎 「細雪」
...陸道もて奔走すること...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...一度奔走するにもある限りの勇気を費やした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...われらは徒(いたずら)に議員選挙に奔走する事を以てのみ国民の義務とは思わない...
永井荷風 「日和下駄」
...未来の大望(たいもう)を抱いて国を去って奔走する目的は...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の子供の名を挾みだしてもらえるように奔走する...
久生十蘭 「新西遊記」
...これからなんとか奔走するところだという間抜けな話なので...
久生十蘭 「魔都」
...今の學者が政談に奔走するも亦謂れなきに非ざるなり...
福沢諭吉 「帝室論」
...「官職を得るため奔走すること」の意味であって...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...前の斎宮司の役人などで親しく出入りしていた者などがわずかに来て葬式の用意に奔走するにすぎない六条邸であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...太政大臣などはこの祝賀に喜んで奔走するはずの人であったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼女の仕事のために奔走する紳士淑女が彼女の周囲に雲集した...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...ともあれ、伊達正宗の詩にもあるやうに、「青年馬上に棲む」といつた氣持、常に戰場に馳驅し、奔走する氣持、そこには、ハチ切れるばかりの精氣と、活氣と、それから餘裕とが充ち溢れる...
吉川英治 「折々の記」
...諸方に奔走するなどといううわさも聞く...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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