...雑種の夷人前代未だ嘗て帰附せざるもの...
太宰治 「津軽」
...模様は蝦夷人(えぞじん)の着る半纏(はんてん)についているようなすこぶる単純の直線を並べて角形(かくがた)に組み合わしたものに過ぎぬ...
夏目漱石 「倫敦塔」
...夷人跳梁の有様をつぶさに見た...
服部之総 「志士と経済」
...夷人斬りの計画を立て資金百五十両を強盗して...
服部之総 「志士と経済」
...彼が蝦夷人と交際したのではなく...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...蝦夷人(えぞびと)の子を養うて何ほどに教育するも...
福沢諭吉 「徳育如何」
...「郷里(くに)を出るのに、夷人(いじん)の船などに乗せられて、よいことのあろう筈(はず)はない、覿面(てきめん)でしたのう、船は霧に包まれて坐礁しかけたり、あぶなく脱(のが)れて沖に出たらば折から暴風雨に吹き流され――うちの人も、あなたも、おお、あなたもそうでしたのう、飲み水ほしさに上陸して、すると急に西風が吹きだしたと云いよって、夷人め、けだもののように不人情な夷人め、見も知らぬ土地に水を捜しおる客を残して、そのまま出帆してしまいました、のう? 避けた港で無理やり下船させられて、あのとき、その太刀でなぜ夷人を斬りませなんだのか、こんなに男がいて、みんなそれは、自分の腹をきるための刀でございましたのか」――あるいはそうかも知れない...
本庄陸男 「石狩川」
...「夷人の船など傭うて来なさったのはあんたじゃった...
本庄陸男 「石狩川」
...相手は夷人のうちの赤夷(あかえびす)...
本庄陸男 「石狩川」
...明日にもしめ殺さねばならんという風に云われとったあの夷人と――メリケンとかオロシャとか...
本庄陸男 「石狩川」
...夷人の服装をつけたそれらの男に今は並々ならぬ好意を覚えた...
本庄陸男 「石狩川」
...夷人に促われて夷人の都に拉(らっ)し去られた...
本庄陸男 「石狩川」
...あのときは夷人の船に乗せられたのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...夷人是ヲ被テ雨ヲシノグ...
牧野富太郎 「植物記」
...夷人(くじん)廖仲薬(りょうちゅうやく)秦精(しんせい)等弩(いしゆみ)を高楼に伏せて射殺す...
南方熊楠 「十二支考」
...ゴウラもまた今は絶えたる夷人(いじん)の語かも知れぬ(註...
柳田國男 「地名の研究」
...何故(なぜ)真面目(まじめ)に成つて夷人(ゐじん)さんの語(ことば)が習へないのかなあ...
與謝野寛 「蓬生」
...江戸に来たるにおよんで夷人の情態を見聞し...
吉田松陰 「留魂録」
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