...孝子に幸福を与へしものは何人(なんびと)かの遺失せる塩竹の子のみ...
芥川龍之介 「案頭の書」
...暫らくの後には消え失せる代りに今度は頭痛を感じはじめる...
芥川竜之介 「歯車」
...突然また消え失せる...
芥川龍之介 「二人小町」
...ひとつ道がかなた至上高點に卷込まれて消失せる處は...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...いつとはなしに指股のあひだよりこぼれ失せる様の...
太宰治 「めくら草紙」
...所謂秀才教育からもその弊害が消え失せるだろう...
戸坂潤 「社会時評」
...深遠な論理の声音が宙に消え失せると同様...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...行方も分らず消え失せる...
豊島与志雄 「憑きもの」
...眼をやると消え失せるが...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...妻に集中すべき愛情が一般女性の上に散り失せるということは...
豊島与志雄 「理想の女」
...また埃(ほこり)のように散り失せるものです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いずれへか消え失せる...
中里介山 「大菩薩峠」
...唇からサツと血の氣が失せると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...實質なき夢の如く幻の如く消え失せるであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...全ての希望は消え失せる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...習性に沈む時反省は失せる...
柳宗悦 「民藝四十年」
...この怨みの脱け殻の鼓とその血統は今日を限りにこの世から消え失せるのだ...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...今度は世界が消え失せるばかりの大地震...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索