...孝子に幸福を与へしものは何人(なんびと)かの遺失せる塩竹の子のみ...
芥川龍之介 「案頭の書」
...一切が消え失せることになりました...
石原純 「トーマス・エディソン」
...直ちに林檎は消え失せる...
海野十三 「地球要塞」
...この世から間もなくごく下劣なならず者が一人消え失せるだろうということだ!」老人めの激怒は恐しいものだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...労働に従事しつつ馬鹿馬鹿しいとの念が失せることなく...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...御所焼失せるに依るなり...
太宰治 「右大臣実朝」
...疾風のごとく逃げ失せる...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...張り切った気持も忽ち失せるのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...彼女が何かの用でお客の傍(わき)を向くたびごとに忽然としてその顔面から消え失せるのだったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...映像はすっかり消え失せることもあろうし...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...人類の暗澹(あんたん)たる進行のうちに多くの不幸な人々が相次いで消え失せるあの悲惨な暗黒のうちに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...また埃(ほこり)のように散り失せるものです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...空間性の殘り香さへも全く消え失せる...
波多野精一 「時と永遠」
...花がやがてはしおれて消え失せるべく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...一一須弥壇下の闇の中――手と手を取り合ったが、雪之丞、闇太郎、多言の場合でない――「外へ――早く! 宿へ戻るがいい」「かたじけない」外の気配を、じっと、うかがった雪之丞、ふたたび、引き戸をあけて、つい、一瞬に、すがたは、もう、消え失せる...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...低き谿(たに)なくば高き峯(みね)も失せるであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...今度は世界が消え失せるばかりの大地震...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そして自信力の失せると共に...
若山牧水 「樹木とその葉」
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