...同時に消え失せる)王女 (手を打ちながら)ああ...
芥川龍之介 「三つの宝」
...しかも科学の上での真理は永遠に消え失せることもなく...
石原純 「ガリレオ・ガリレイ」
...さうして銀河白道(ぎんがはくだう)がその夜の色の桁、火の涙、血の黴の條理(すぢめ)と共に、かなた至上高點に卷込まれて、消失せる處は、稻魂(いなたま)の光明に包まれた「五角」である...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...首脳が失せると思想が混沌たる状態に陥って来るのである...
大隈重信 「始業式に臨みて」
...貴様自身もそこにある幻影も失せるがよい...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「西洋科学は素晴らしい」
...そう云う疑念も立ちどころに消え失せるのが常であった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女が何かの用でお客の傍(わき)を向くたびごとに忽然としてその顔面から消え失せるのだったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...消え失せることだ……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深遠な論理の声音が宙に消え失せると同様...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...いずれへか消え失せる...
中里介山 「大菩薩峠」
...外より來り外へ消え失せることがない...
波多野精一 「時と永遠」
...「日本人に対し寛大に失せるの嫌(きらい)あり」と...
服部之総 「汽船が太平洋を横断するまで」
...鳩舎の方へ行けば――藁小屋が消え失せる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その恋はたちまちにして消え失せるが故に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...けれども直ぐに散り失せる...
夢野久作 「白髪小僧」
...不思議や妾は自分の身体(からだ)の血が消え失せるように思いまして...
夢野久作 「白髪小僧」
...すつぽんの人間にたいする怨念が失せるかどうか...
吉川英治 「折々の記」
...あやしげな恰好をした黒い影のなかへ消え失せる...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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