...孝子に幸福を与へしものは何人(なんびと)かの遺失せる塩竹の子のみ...
芥川龍之介 「案頭の書」
...其の緑の草木が炭になつて消え失せるまでそれをあちこちと漂はした...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ついに海岸に至り遺失せる釣り竿を得て...
井上円了 「おばけの正体」
...さうして銀河白道(ぎんがはくだう)がその夜の色の桁、火の涙、血の黴の條理(すぢめ)と共に、かなた至上高點に卷込まれて、消失せる處は、稻魂(いなたま)の光明に包まれた「五角」である...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「さしあげた腕」
...たちまち尾をたれて消え失せるのである...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...この世から間もなくごく下劣なならず者が一人消え失せるだろうということだ!」老人めの激怒は恐しいものだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...労働に従事しつつ馬鹿馬鹿しいとの念が失せることなく...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...私にとってこういうかたなんですよ! じゃあもう――ここらで出て失せるとしましょうかな!」「ああ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...しかしどんな妻の姿も、忽ち消え失せる...
外村繁 「夢幻泡影」
...映像はすっかり消え失せることもあろうし...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...全ての希望は消え失せる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...あの恐ろしい諦めを持った印度の王子は彼の家系が散り失せるのを何んなに喜んだかを考えて貰い度い...
松永延造 「職工と微笑」
...少しも動ぜず経を読んで引導を渡すと化物消え失せる...
南方熊楠 「十二支考」
...彼奴(あいつ)の手にかかって消え失せるちう話ぞ...
夢野久作 「斜坑」
...不思議や妾は自分の身体(からだ)の血が消え失せるように思いまして...
夢野久作 「白髪小僧」
...秀吉の愛惜(あいせき)は失せるやもしれぬ」「おそらく...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして自信力の失せると共に...
若山牧水 「樹木とその葉」
...そうしてこの体験は彼の生涯を通じて消え失せることがない...
和辻哲郎 「茸狩り」
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