...ややともするとまわりに気が取られて見送るべき人を見失う...
有島武郎 「或る女」
...こういう風にして大切な刻々を失うことを思って呻吟した...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...君は先年長男子を失うたときには...
伊藤左千夫 「去年」
...はじめて耳にする怪魔ミミ族の来襲に色を失う者が多かった...
海野十三 「宇宙戦隊」
...その痙攣中に一時意識を失うのだ...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...一身は大に平均を失うて起居動作には頗る困難を覚ゆるのみならず...
関寛 「関牧塲創業記事」
...試煉の時がきたとき彼は色を失うかもしれない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...時の状勢によっては君主の地位をも失うようになる...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...気を失うことはない...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...これだけでも第一目方とか質量とかいう言葉は意味を失うに相違ない...
寺田寅彦 「方則について」
...夫は学生が「自分」を失うことだ...
戸坂潤 「学生の技能と勤労大衆」
...生々とした処女性を失う...
豊島与志雄 「野に声なし」
...明(めい)を失うてから久しいこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんたが逃げたって必((ママ))して逃げおおせないと云う事を私は知ってますわ……」「私がもしにげおおせたらどうする?」「それじゃ今日っから蛇に見込まれた蛙がうまくにげ失うせるか見込んだ蛇の根がつきるか根くらべをして見ようかしら...
宮本百合子 「お女郎蜘蛛」
...○この割合にて見る時は玄米を搗(つ)きて白米にすれば蛋白質と脂肪の三割余を失う...
村井弦斎 「食道楽」
...マユミやその両親達の信用を失うような軽率な事は決してしなかった...
夢野久作 「巡査辞職」
...多くの将士を失うときは...
吉川英治 「三国志」
...そのため岸伝いの航海者は陸を見失う危険に苦しめられたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索