...毛の末ほども自分を失う事なく...
有島武郎 「或る女」
...幼女を失うた一家の痛みは...
伊藤左千夫 「去年」
...手古奈は一夜館を脱して行衞を失うたのである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...智恵子はその個的存在を失う事によって却(かえっ)て私にとっては普遍的存在となったのである事を痛感し...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...喬生は妻君(さいくん)を失うた悲しみがあって...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...もう物を見る明を失うていたのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...乱れた毛もたしなみを失うほどではなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これ以上人命を失うことは犯罪にひとしい〉というようなことをおっしゃったそうだった...
久生十蘭 「だいこん」
...これを失えば失うて跡(あと)なかるべし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...そしてまず棍棒か木刀で女の頭や背中や肩を血だらけにするまでなぐりつけて気を失うや...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...潮に溺れ命を失うたのも猿田彦は老猴を神としたに相違ない証拠だ...
南方熊楠 「十二支考」
...分別ある人々の信用を失うことは何とも思っていないのでございますから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この無残な苦痛の刺激に気を失うような者があれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...奉仕の美を失うであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...とにかくに家が失うものを補填(ほてん)する意味はあった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...本来の気風と弓取の面目を失うまじとしている武士もまた多かったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...――味方の敗色にそちまでが度を失うたか」「残念なことを仰せられます...
吉川英治 「新書太閤記」
...人命一つを失うては...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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