...太い籐(とう)の杖(つえ)を引きずりながら...
芥川龍之介 「影」
...太い左の眉がぴり/\動いてゐた...
石川啄木 「葉書」
...同じような太い銀の針が左の眼にもつっ立っている...
海野十三 「少年探偵長」
...外から秘密の締まりの孔へ太い釘をさし...
海野十三 「深夜の市長」
...妻の左右の内股に太い注射針を刺す...
外村繁 「澪標」
...痘瘡(とうそう)のある太い赭(あか)ら顔に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...世界中を食ってもやりてえ!」四十歳くらいともまた百歳くらいとも見える太い女が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...太い麻縄(あさなわ)を噛(か)み切るよりも苦しかった...
夏目漱石 「行人」
...ゆったりと太い男女のいる世界に...
長谷川時雨 「紫式部」
...大きな広間の天井には煤色の栂(とが)の太い梁(はり)がむきだしになっている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...林の太い声が拡声器から洩れ出す...
久生十蘭 「魔都」
...神経が太いというのか...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...前にも述べたように蓮根の節間が短くて太いが...
牧野富太郎 「植物記」
...下帯一枚ではだしで道を歩く女達が太い声で...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...腹の底から気持のいい太い息をついて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...失礼ながら藤田先生でございましょうか」「おれは藤田だが……」太い眉の下の巨(おお)きい眼がぎろっと光った...
山本周五郎 「新潮記」
...スラリとした骨太い身体(からだ)に...
夢野久作 「少女地獄」
...笠支配人は太い溜息をした...
夢野久作 「二重心臓」
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