...猫めの方でも大甘垂れに甘垂れて舌を出してはベロベロと二葉亭の顔を舐(な)めた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...意気地なしの、大甘野郎の、女たらしの……」お千はまた興奮して、地団太(じだんだ)を踏み、往来の砂埃(すなぼこり)をしきりと立てていた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...――」「意気地なしか大甘野郎かどうか...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...特にいわゆる大甘物の通俗劇を見物することである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...大甘々(おほあまあま)の自惚やの見本なのだらう...
中島敦 「かめれおん日記」
...大の孝行者と信じきつて居るといふ大甘さです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...算盤(そろばん)は確かだ――その上人間が大甘だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...五郎助が額に傷を拵へて困つて居るのを見て、自分の額に傷をつけ、俺を騙(だま)した氣で居たのは、大甘の細工だが、猿智惠の廻る野郎だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なんて気を揉むのは大甘ね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...支那一流の大甘物(あまもの)だが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...材料を支那に取つた「紅雀(べにすゞめ)」二(ふた)幕と「鬼を見て来た男」一(ひと)幕は不気味な物である代りに「妖惑(えうわく)する女」や「隅の部屋」の様な大甘(おほあま)な喜劇を取合せて気分の平衡を計つてあつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...活動写真は大甘な米国物であつたが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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