...物静かな、大柄な、青年のような汪主席はいまは日本にとっては多く親しまれた風貌であろう...
上村松園 「中支遊記」
...で、いま彼が炉をへだてて坐っていると、――大柄な、体の格好のよい、鬚のない五十ばかりの男で、かくれ遊びも多少あるかも知れないが、いかにも才能があり親切そうな人である――その顔付きから見ても彼がアッタスン氏に対して心からの温かい愛情を抱いていることがわかった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...机の上には庭で発見された被害者の大柄な黒い身体と黄色い顔とが大体昨夜(ゆうべ)のままで横たわっていた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...今では白の母鳥のほうがかえってひなの中の大柄なのよりはずっと小さく見えるくらいであった...
寺田寅彦 「あひると猿」
...大柄な子で、頬(ほ)っぺたがブラさがるように肥(ふと)っている...
徳永直 「こんにゃく売り」
...派手な大柄な絣の米琉の着物に粗(まば)らに受けて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...お島は大柄な女であった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...肥った大柄な身体をすっと襖の陰に消していくその後ろ姿を...
豊島与志雄 「立枯れ」
...白衣の上に大柄な丹前を羽織って...
中里介山 「大菩薩峠」
...十九歳の大柄な青年ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私」二十歳(はたち)白齒(しらば)の大柄な娘が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大柄なので、裾みじかに着物を着るせゐか、裾もとがきりつとして、さっぱりしてゐた...
林芙美子 「晩菊」
...大柄なせゐかはたち位にはみえた...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...大柄な背の高い髪の毛の大変良い人だけれ共色の黒いのが欠点だと皆知ってるものが云って居る...
宮本百合子 「M子」
...大柄ななりに干からびたような反歯(そっぱ)の顔を見ているうちに...
宮本百合子 「高台寺」
...骨組の逞(たく)ましい、大柄な子が、大綰総(おほたぶさ)に結つたので天晴(あつぱれ)大人(おとな)のやうに見えた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...勉強もよくでき大柄なヒロ子さんは...
山川方夫 「夏の葬列」
...大柄な外国婦人に手を引かれた金髪のまだ幼い少女が...
山川方夫 「昼の花火」
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