...大峰修行の山伏(やまぶし)などでも...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...大峰を通り凡(おおよ)そ四里...
柳田国男 「山の人生」
...似たる先例をあげるならば大和の大峰を中にした熊野と吉野...
柳田国男 「雪国の春」
...大峰と矢田部は秋山平蔵の家に匿まうことにきめ...
山本周五郎 「新潮記」
...「大峰庄蔵と矢田部源七郎の居どころを聞こう」平手打ちをくわせるような調子で云った...
山本周五郎 「新潮記」
...大峰と矢田部はどこにいるか」寅寿は俯向いたまま...
山本周五郎 「新潮記」
...大峰と矢田部は貰ったぞ」梅八はそのあいだずっと寅寿の表情から眼をはなさずにいたが...
山本周五郎 「新潮記」
...……大峰、矢田部を追放すると、弟に約束させてから半日、案外すらすらとはこんだので、やっとひと息ついたところである...
山本周五郎 「新潮記」
...「城代の用向きはなんだ」「お上御帰国の供の中に、他家の家臣が紛れこんでおるとの御意につき、さようなる事実はこれなく、思召し違いに存じ奉るとの口上にございます」「使者の役たいぎ」そう云って左近はじっと宗兵衛を見た、「宗兵衛、そのほうに城代の使者を申付けたのはなに者だ、老臣のさしずか、それとも」「お上の御指名にございます」「讃岐守どのの……」ああそうかと、左近ははじめて安堵(あんど)の微笑をうかべた、「では大峰、矢田部と申す二名の者は、たしかに追放されるのだな」「御意のとおりにございます、二名を隠匿せる事実なしと、老臣共の言質をとるためのお上の御遠慮にて、その旨を言上のためわたくしめにお使者の御指名があり、時刻はずれにございますが伺候つかまつりました」「それでよい、もし不調に及んだらと案じたが、それで余も安堵したぞ」「もう一つ言上がございます」宗兵衛はそう云ってちょつと眼をふせた、「今朝はやく、倉敷代官さし添いにて、木阪町奉行よりの使者がまいり、高松郷士早水秀之進に対する追捕(ついぶ)の旨を申し達しました」「秀之進に追捕の命とは」「信州高島城下にて闘争に及び、五名殺傷のうえ逃亡との理由にございます」左近はじっと宗兵衛を見た...
山本周五郎 「新潮記」
...「大峰と矢田部は此処だ」秀之進が絶叫した...
山本周五郎 「新潮記」
...それで大峰と矢田部は...
山本周五郎 「新潮記」
...「大峰庄蔵、矢田部源七郎」六、七間はなれた道の上で大きく叫ぶのが聞えた...
山本周五郎 「新潮記」
...三年に一度くらい大峰の修築をするとか...
吉川英治 「剣難女難」
...――それに、近ごろはとくに、いま見たような一見、宮方びいきとわかる山伏も多いからの」「吉野、大峰、葛城(かつらぎ)、そのほか諸山にわたって、ちと、内々のおくすりが効(き)きすぎた結果でもございましょうか」「いや、人為(じんい)ばかりではない、時の勢い――...
吉川英治 「私本太平記」
...または羽黒か」「入峰(にゅうぶ)三度の大峰の修験者(しゅげんじゃ)にござりまするが...
吉川英治 「私本太平記」
...大峰山脈の一帯をとりでと見なして...
吉川英治 「私本太平記」
...「それから数年、俺は、大峰へ入り、葛城(かつらぎ)へわけ登り、諸国の大山(だいせん)を経巡(へめぐ)って、役(えん)の優婆塞(うばそく)が流れを汲み、孜々(しし)として、修行に身をゆだねてきたが、それでもまだ聖護院の役座にさえ登れず、旅山伏の弁海が、やっと本地印可(ほんじいんか)の播磨房弁円(はりまぼうべんえん)と名が変って、山伏仲間で、すこし顔が知れてきただけのものだ...
吉川英治 「親鸞」
...大峰の者か、聖護院(しょうごいん)派か、見知らぬ山伏だが、年ごろ四十前後の男で、鉄のような五体は、修験(しゅげん)の行(ぎょう)に鍛(きた)えたというよりは、戦場で作ったものである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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