...彼の料理はいつも大味で、ちょっと味気ない...
...彼女のファッションセンスは大味で、つまらない...
...この絵は色使いが大味で、印象に残らない...
...彼の演技は大味で、感情が表現されていない...
...大味な音楽よりも、リズムにメロディーのある音楽が好きだ...
...菊池の小説は大味であっても...
芥川龍之介 「合理的、同時に多量の人間味」
...もう少し大味でなければならない...
伊丹万作 「人間山中貞雄」
...次から次へと搬ばれてくる大味な料理をどんどん片づけながら...
海野十三 「暗号数字」
...一切の秀れた技巧を包蔵している大味である...
高村光太郎 「九代目団十郎の首」
...大柄な女は大きなメジ鮪(まぐろ)をぶっころがしたようで大味(おおあじ)だと冗談をいっていたのもそのはず...
永井荷風 「雪解」
...網なんぞは大味(おおあじ)で食べられません」「なるほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして今日の午後、自分の部屋で、コックさんから貰った一瓶のビールを味わいながら、忠作は、この酒は異人が上下となく好んで飲む酒だが、なんだか苦くって、大味で、日本人には向きそうもない、自分は利酒(ききざけ)ではないが、どうも将来とても日本人が、こんな苦くて大味な酒を、好んで飲むようになれるかなれないか考えものだと思い、それと同様に、異人がまた日本酒の醇なやつを、チビリチビリと飲むというような味が分って来そうにもない、どうも、日本の酒と、異人の酒とは、趣味のドダイが違うから、将来、あっちの酒をこっちへ持って来て売るようにはなれまいし、こっちの酒を向うへ盛んに売り出すようにはなれまい、そうすると、異人を目当ての酒の交易は、まあ当分、見込みはない、なんにしても今時、向うから持って来て、こっちへ売れるのは鉄砲だ、酒と違って、向うの鉄砲だってこっちの人間を殺せる、しかも殺し方が遥かに優れている、鉄砲を持って来て売り込むことは的を外れないが、それだって、日本の鉄砲は向うへ向けて売り物にならないから片交易だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...大味で――わしゃ酒のみじゃないけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...「なるほど――苦くて大味...
中里介山 「大菩薩峠」
...なるほど、金公の出鱈目(でたらめ)も聞きようによって算盤になる、苦くて、大味で、日本向きではないと、自分はさいぜん独断を下してみたが、金公のような、その道の奴に言わせると、胸に滞らず、頭に上らず、毒にもならず、薬にもならず、軽い意味に於て、将来一般に流行(はや)る平民的飲物としての素質を持っているとすれば、この酒も将来、日本人にとって、一種の無くてならぬ嗜好物になる資格があるのではないか――人によって言を捨てずということもあるから、たとえ金公の出鱈目でも聞いて置くことだ、なんぞと考えながら、「よかったら、みんな飲んで下さい」コップにまた泡を吹かせて、忠作が酌をしてやりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...大味もこれから出て来ない限りもないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...与作の大味噌でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次も今度は大味噌をつけたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何でも大きな者は大味で...
正岡子規 「墨汁一滴」
...とめどなく大味とでもいうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大味かしら」と云ったには笑いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大味(おおあじ)だがするめっくれえには食えるだよ」その貝は私の拳を横に二つ合わせたほどの大きさで...
山本周五郎 「青べか物語」
...味は一體に大味ですが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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