...封筒の中へ大切そうに白紙の束を入れていたかと思うと...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...しかし、博士は別に意外らしい様子もなく、さも大切そうに、その靴箆の端をソッと摘(つま)むと、窓からの光線にすかして見たが、その時分にはもう、窓の外に夕闇が迫っていて、十分調べることが出来なかったので、部屋の隅のスイッチを押して電燈をつけ、その光の下で、靴箆を入念に検査した...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...この女には随分悩まされて非道(ひど)いめにあった人が沢山あるんですよ」夫人は写真を大切そうに納(しま)ってから言葉をつづけた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...大切そうに二筋(すじ)の林檎の皮を取出しながら「この古い方は断崖の上の現場で...
大阪圭吉 「花束の虫」
...大切そうに脇に引きつけられてある...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...それでも金玉だけ大切そうに両手で押え「御免なさい...
田中英光 「さようなら」
...大切そうに――」「奇怪なっ...
直木三十五 「南国太平記」
...大切そうに『毎夕新聞』をたたんだ...
永井荷風 「ひかげの花」
...私の頭のところを大切そうにくるんでしまい...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...押入から風呂敷包を取出して大切そうに胸に抱え...
久生十蘭 「魔都」
...小さなバッグを大切そうに抱えている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...少年の時分に友達と列んでこれを手のひらの上に大切そうに載せ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...ちょっと拝むような手つきをしてから大切そうに四つに折りたたんで蟇口へ納いこんだ...
矢田津世子 「父」
...――こんなものを大切そうに箪笥へしまって置くなどとは...
山本周五郎 「日本婦道記」
...オモトの鉢をいれ提籃を大切そうにさげて往来する好者の姿を...
山本笑月 「明治世相百話」
...それから奥へ這入って神棚の上から一本の薪の半分ばかりの燃えさしを大切そうに持って来て...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...大切そうに折り畳んで...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...大切そうに抱えた若林博士が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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