...蕗の花が夢の国に行ったように...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...そのガスも尋常(じんじょう)いちようのガスではない――」夢の国のとりこ事務長のクーパーは機関長をはげましておいて...
海野十三 「海底大陸」
...美しい夢の国から現実界へつき落された紋三は馬鹿馬鹿しさと恥かしさに...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...つい先生の脚の下にも夢の国の秘密があることを先生はご存じなかつた...
竹久夢二 「秘密」
...あのにむふの娘ゑこをも夢の国の少女の一人だつたのです...
竹久夢二 「秘密」
...少女の夢の国はかうして昔から誰にも知られず来たのです...
竹久夢二 「秘密」
...夢の国で流した涙がこの現実につながり...
太宰治 「フォスフォレッスセンス」
...それさえ夢の国から来る物音のように耳には響かなかった...
田中貢太郎 「青い紐」
...いつの間にか彼の魂を甘美な夢の国へ誘って行った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...夢の国に論理の橋を架けたのが彼の仕事であった...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...永い間胸に抱いてきた罪のない夢の国の美しい夢を冷たい現実でかき乱すのは気の毒で残酷なような気もするのであった...
寺田寅彦 「異郷」
...現実の世界において望んで得べからざる願望が夢の国において実現されるように...
寺田寅彦 「映画芸術」
...それがこの一風変わった西欧詩人の筆に写し出されたのを読んでみると実に不思議な夢の国の幻像を呼び出す呪文(インカンテーション)ででもあるように思われて来る...
寺田寅彦 「小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」」
...実はこの夢の国への第一歩はすでに踏み出されている...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...十四地上の花を暖い夢につつんでとろとろとほほゑましめる銀色の陽炎(かげろふ)のなかにその夢の国の女王のごとく花壇にはここかしこに牡丹がさく...
中勘助 「銀の匙」
...夢の国のようになるのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...私の眼には美智子の室が夢の国のやうに更に明るく見えました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...夢の国の処(ところ)の名はむづかしいから...
宮原晃一郎 「夢の国」
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