...従って匿名批評というと一般に何か卑怯な覆面の切捨御免のことででもあるように考えられることになるのだが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...リーザはすっかり怯氣づいてしまった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...あの人がみんなやったんだと思わせたがったりしてさ! だれも見てる人がなかったとでもいうような顔をしてさ! 一生懸命になぐりつけた者は一人もいないようなふりをしてさ!……皆がなぐり合ってる最中に、一人でも腕組みをしてぼんやりしてる者があったとしたら、私はその顔に唾(つばき)を吐きかけて、卑怯者、卑怯者、と言ってやったはずですよ……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は自分が卑怯(ひきょう)であるのを認めた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...フックに「私は卑怯者(コッド)だ」と言えというのである...
中谷宇吉郎 「ピーター・パン」
...怯(ひる)んで猶予する方が彼に取つては幾倍の苦痛であつた...
夏目漱石 「それから」
...人に卑怯(ひきょう)と嘲(あざ)けらるるは彼の尤(もっと)も好まぬところである...
夏目漱石 「幻影の盾」
...「文六、卑怯だぞ、――約束通り、幸吉の父親を殺した経緯(いきさつ)を白状せい」平次はその襟首を押えて引戻すと、グイと膝の下に敷いたのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まつりの夜の處爲(しうち)はいかなる卑怯ぞや...
樋口一葉 「たけくらべ」
...どんな卑怯な策略を...
火野葦平 「花と龍」
...病人は一人で怯(おび)えてでもいたように...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...だからあの卑怯者はずっと知っていたにちがいない」ビートリスは父の穏やかな死に顔をちらと見て...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...卑怯にも大変な爽々しさを覚えた...
牧野信一 「途上日記」
...そんな卑怯な、横着な傷に吾儕(われわれ)、軍医が欺むかれて、一々鉄十字勲章と、年金を支給されるように吾々が取計らって行ったならば、国家の前途は果してドウなると思っているのか...
夢野久作 「戦場」
...別当どのが怯(ひる)んで...
吉川英治 「私本太平記」
...『おのれっ』半弓を捨てて、一方は追い慕い、『卑怯、卑怯っ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...怯(ひる)むいろもなく...
吉川英治 「平の将門」
...……卑怯はすな...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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