...酔つて夢うつつに琴の音を聞いてゐたつて...
太宰治 「お伽草紙」
...絶えず夢うつつのように桂子の幻が浮んでいた...
田中英光 「野狐」
...自動車が門の前を軋(きし)み出るのを夢うつつのうちに聞いて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私の方はまだ夢うつつの境迷うてた時分...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...愛くるしい夢うつつの微笑とか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...丸山勇仙がやってきたよ」すわ! と夢うつつのさかいを破られました...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはり夢うつつのところを彷徨しています...
中里介山 「大菩薩峠」
...右の種類に属する程度の者とすると、これはうっかり近よらぬがよろしい、普通の酔客ならば、あやなして持扱う手もあるが、あの連中では、うっかりさわっては祟(たた)りがある、という警戒の心がそこで起ったものですから、「雛妓たち、ここはこのお客さんのお友達が来るらしいから、われわれは、また別の座敷で別の遊びをしよう、さあ、このままで一同引揚げたり」こう言って、村正どんは手勢を引具して退陣を宣告すると、夢うつつで、その声を聞き咎(とが)めたらしい爛酔の客が、「なに、こども、こどもが来たか、子供が来たら遠慮なくここで遊ばせろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠慮なくこの席へ入ってお遊び」夢うつつの境で...
中里介山 「大菩薩峠」
...その高熱往來の夢うつつの境に母か妹かに抱月さんが死んだと云ふ事を聞かされでもしたのが一つの暗示になつたのかも知れないが...
南部修太郎 「自分の變態心理的經驗」
...両眼は夢うつつだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...夢うつつにその話し声を聞いている...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...夢うつつのように聞いていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...女たちのクスクス笑う声を夢うつつに聞いている中(うち)に自動車がピッタリと止まったので...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...僕は夢うつつのうちに母親を殺して忘れているのじゃないかしら……なぞとボンヤリ考えたりしながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どんな幻覚を夢うつつに抱くだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...当然、取調べが始まる――(こんど曳き出される時には生命(いのち)がない)又八は毎晩、夢うつつに、あぶら汗をかいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...夢うつつにも寝床で寝るトア・ズン・ドルの女を再び見出した...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
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