...一所懸命な祈の聲は夜陰に冱えて物凄い...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...夜陰に燭を立てゝ敵使を見るといふ莊嚴な光景である...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...そうした奔走ですでに夜陰になったが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...夜陰に乗じてヒスパニオーラ号を見つけ出して乗り込み...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...聞いたかぼろすけぼうぼう――軽くして責なき人の口の端森のくらやみに住む梟(ふくろふ)の黒き毒に染みたるこゑ街(ちまた)と木木(きぎ)とにひびきわが耳を襲ひて堪へがたしわが耳は夜陰に痛みて心にうつる君が影像を悲しみ窺(うかが)ふかろくして責なきはあしき鳥の性(さが)なり――きいたか...
高村光太郎 「智恵子抄」
... 485大地の面に暗黒の夜陰の幕を降らしむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...そして彼らが夜陰から脱け出してくるのはただ一瞬時の間のみであって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...獄舎の庭では夜陰(やいん)に無情の樹木までが互(たがい)に悪事の計画(たくらみ)を囁(ささや)きはせぬかと疑われるので...
永井荷風 「監獄署の裏」
...夜陰こうして踏み込むのはあまりに荒っぽい...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜陰忍んで来たのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜陰の静けさが昼間をしのぐものがあるのだろうか...
細井吉造 「二つの松川」
...夜陰の川をゆっくりと流れる浮燈籠の様でもあった...
松永延造 「職工と微笑」
...さびしい夜陰に響いた...
宮本百合子 「田舎風なヒューモレスク」
...夜陰に剣戟(けんげき)を執(と)って...
森鴎外 「山椒大夫」
...「なぜそれならば夜陰ひそかに彼を殺したのか」とつめよられた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...夜陰の村に響き渡つて...
吉江喬松 「山岳美觀」
...と夜陰の底へ不気味なひびきを震わせる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...大伴副使は夜陰に乗じてひそかに彼らを自分の船にかくまった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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