...唯当時卒業者の数少く而して新設せらるゝ学校の数多かりしを以て現今の如く就職難を訴ふることなかりしと雖も其の前途に於ける活動分野の狭隘なりしことは余が常に憂慮したる所にして余は機会あらば自から応用方面に於て成績を挙げ純正化学者が工業上より見て無用の長物に非ざることを例示せんと窃に企図し居たり...
池田菊苗 「「味の素」発明の動機」
...此語には辟易せしも多かり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...巨木多かりし中に...
大町桂月 「妙義山の五日」
...●そも/\茲谷(このたに)は山桜多かりしゆゑ桜谷とよびけるを...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...枯枝(かれえだ)のみぞ多かりける...
高山樗牛 「瀧口入道」
...千悔の声々も多かりけり...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...初めは彼れを喜ばざるもの多かりしに拘らず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...帝國黨は最も腐敗の黴菌多かりし國民協會の變形のみ其腐敗したるや固より久しと謂ふ可しされば政黨は總べて腐敗す可きものなりや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...公の意見を聴くの機会に接すること益々多かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...湖龍斎が明和年代の板画には春信に酷似するもの多かりしが...
永井荷風 「江戸芸術論」
...然るに先年は諸事完備を欠くこと多かりしにもかかわらず...
野中到 「寒中滞岳記」
...山暗し灯の多かりし湯本とてはた都とてかひあるべしやさすがに山奥の庭は暗い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...我郷里(伊予)にて幼き時に見覚えたる様はなほをかしき事多かり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...したがって神社の数はなはだ多かり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...漁業の根源にもこの方面からもう一度観察すべき事柄が多かりそうな気がする...
柳田国男 「海上の道」
...原因をすらも知っておらぬ者が多かりそうなのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...語る人ますます多かりし証拠である...
柳田国男 「山の人生」
...良民に対し粗暴のふるまひ多かりければ...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
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