...そのためしさはに多かりでげす...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...小樽の埠頭までの航路こそ思出づるさへ興多かり...
石川啄木 「閑天地」
...黄粱一夢鴻爪刻船のさまなるも多かり...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...『もとはずつと多かりき...
大町桂月 「吾嬬の森」
...御室(おむろ)の郷(さと)に靜けき春秋(はるあき)を娯(たの)しみし身の心(こゝろ)惑(まど)はるゝ事のみ多かり...
高山樗牛 「瀧口入道」
...其他種々の点に於ても称揚すべきもの多かりしを知りぬ...
太宰治 「盲人独笑」
...夏ながらさまざまの生け花の寄贈多かりき...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...主として韓国に出入する日本人の行為に基くもの多かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...議者又当期議会が建議案の頗る多かりしを奇異の顕象なりといふ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...木母寺の植半は旅宿をかねたる酒楼にてその頃は芸者を連れし泊込みの客多かりしが二...
永井荷風 「桑中喜語」
...切支丹坂より茗荷谷(みょうがだに)のあたりには知れる人の家多かりき...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...そのためしさはに多かりでげす」「そこへ行くと...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...真昼過より夕影椎の樹に落つる迄何を見るともなく酔ふたるが如く労れたるが如くうつとりとして日を暮らすことさへ多かり...
正岡子規 「小園の記」
...発熱後はいつも頭脳明瞭にして仕事の捗取(はかどり)非常に早ければ昨年頃までは徹夜して為したる仕事多かりしが...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...南太平洋に太古今よりも遙かに島數多かりしが...
南方熊楠 「秘魯國に漂著せる日本人」
...嶺の路ここかしこに壊(やぶ)れたるところ多かりしが...
森鴎外 「みちの記」
...原因をすらも知っておらぬ者が多かりそうなのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...良民に対し粗暴のふるまひ多かりければ...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
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